鈴木みそ『ナナのリテラシー』


ナナのリテラシー1ナナのリテラシー1
(2014/01/23)
鈴木みそ

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 鈴木みその『ナナのリテラシー』1巻を、電子書籍で購入。
 「漫棚通信」さんがツイッターでホメていたので(※)、ネットで試し読みできる第1話を読んでみたところ、すごく面白くて即ポチったもの。

※その後、「漫棚通信ブログ版」にも絶賛エントリがアップされた。

 『コミックビーム』連載作品で、紙版の書籍は当然ビームコミックスから出ているのだが、電子書籍版はアマゾンのキンドルダイレクトパブリッシング(KDP)で鈴木本人が出している(電書版のほうが300円近くも安い)。

 タイトルだけ見るとなんのマンガだかさっぱりわからないが、コンサルタント業界を舞台にしている。天才コンサルタント・山田仁五郎の事務所に、学校の「職場体験」授業でやってきた女子高生ナナ(七海)が、そこで才能を開花させ、仁五郎の助手として活躍していく物語。

 ……なのだが、この第1巻にかぎれば「マンガで読む電子書籍入門」として読める。仕事が減って生活苦に陥った中堅マンガ家・鈴木みそ吉を、仁五郎とナナが電子書籍の世界で「再生」させるプロセスがメインストーリーになっているからだ。
 そう、鈴木みそ吉は作者の鈴木みそ自身をモデルとしているのだ。

 鈴木みそはKDPで旧作『限界集落温泉』を大ヒットさせ、「電子書籍でヒットを飛ばしたマンガ家」の代名詞的存在となっている。その鈴木が自らの体験をベースに、「中堅どころのマンガ家はいかに電子書籍の世界に飛び込んだらよいか?」をストーリーマンガの形式で語ったのが、この第1巻なのである。

 というと、文章を絵に置き換えただけの無味乾燥な「学習マンガ」を想像されるかもしれない。しかし、ドキュメントコミックの第一人者である鈴木みそだけに、そんなつまらないマンガにはなっていない。

 作品の性質上、説明ネームが多めなのは致し方ないが、それでも十分に「マンガとして面白い」作品になっている。キャラも立っているし、回ごとの山場もちゃんとある。読者をグイグイ引っぱる牽引力をもっているのだ。そのうえ、電子書籍についての実用マンガとしても読めるし、マンガ界の近未来を展望した本としてもすこぶる読み応えがある。

 電子書籍の話はこの巻のみで、次巻はゲーム業界が舞台になるようだが、ゲームをやらない私でも「次巻も買おう」と思えた。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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