溝上憲文『マタニティハラスメント』


マタニティハラスメント (宝島社新書)マタニティハラスメント (宝島社新書)
(2013/11/09)
溝上 憲文

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 溝上憲文著『マタニティハラスメント』(宝島社新書/790円)読了。

 仕事の資料として読んだものだが、いろいろ考えさせられた。

 いちばん「目からウロコ」だったのは、マタハラをする主体には女性もけっこう多いということ。しかも、子育て経験をもつ女性上司が、むしろ子育て中の女性に厳しく当たることも少なくないという。

「妊娠・出産の経験者から『私の時代はもっと大変だったのにそれを乗り越えてきたのよ』『私なんか育休1年で復帰して働いた』などと言われた人もいますし、同じ妊娠・出産の経験者でも見方は違います。
 とくに上の役員などの幹部層の女性の中にはきつい人もいます。なぜなら彼女たちは勝ち抜いてきた人たちだからすごく強い」

 

 私には、マタハラといえば「女は子どもを産んだら家庭に引っ込んでろ」という古いタイプのオッサンがするものだというイメージがあった。また、「女の敵は女」となるにしても、「子どもを持たなかった女性対子育て中の女性」という対立図式になるのだと思い込んでいた(もちろんそういう面もあるのだが)。
 世の中というのは、それほど単純・図式的にはできていないのだ。

 本書は、たくさんの資料をうまくまとめているし、取材も丹念な上出来の概説書。終盤になるにつれ、内容がマタハラから離れてヘンに広がってしまう点だけが玉にキズ。

 安倍政権が成長戦略の一つとして打ち出した「3年育休」が、現場の働く人々(女性含め)からはまったく歓迎されておらず、「3年も育休をとったら職場復帰できなくなる」と不評だという話も興味深い。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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