『マイルス・デイビス自叙伝』


マイルス・デイビス自叙伝〈2〉 (宝島社文庫)マイルス・デイビス自叙伝〈2〉 (宝島社文庫)
(1999/12)
マイルス デイビス、クインシー トループ 他

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 マイルス・デイビス、クインシー・トループ著、中山康樹訳『マイルス・デイビス自叙伝』Ⅰ、Ⅱ(宝島社文庫)読了。

 仕事上の必要からハービー・ハンコックのことをあれこれ調べているのだが、意外なことに、ハービーの自伝や評伝は出ていない。盟友ウエイン・ショーターの評伝『フットプリンツ』は邦訳されているのに……。
 わずかに、「ジャズ批評ブックス」の『定本ハービー・ハンコック』の中にバイオグラフィーの章がある程度。

 なので、マイルスの自叙伝の中のハービーについての記述を拾い読みしようと考えたしだい。
 ところが、読み始めたらすごく面白くて、けっきょく全部読んでしまった。

 私はマイルスについてはくわしくもないし思い入れもないのだが、それでも音楽好きなら楽しめる本だ。全編語り口調の聞き書き形式なので、すこぶる読みやすく、厚い本なのにあっという間に読める。

 マイルスの、黒人であることへの強烈なこだわりと、誇り高さに圧倒される。
 誇り高さは傲慢さと紙一重なわけだが、マイルスの場合は傲慢なのではなく、音楽そのもの、芸術そのものに対する深い畏敬の念があって、「音楽を軽んずる奴はけっして許さない」という意味合いの誇り高さなのである。

 ジミヘンやプリンスなど、自分より若い、ジャンルの異なるアーティストに対しても高い評価を与えていて、つねに自分の音楽を革新しつづけたマイルスらしくて好ましい。

 逆にウィントン・マルサリスに対してはかなりの紙数を割いて批判しているのだが、人格攻撃という印象ではなく、音楽に対する姿勢が決定的に相容れなかったのだとわかる。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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