盛力健児『鎮魂――さらば、愛しの山口組』


鎮魂 〜さらば、愛しの山口組鎮魂 〜さらば、愛しの山口組
(2013/08/30)
盛力 健児

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 盛力(せいりき)健児著『鎮魂――さらば、愛しの山口組』(宝島社/1500円)読了。

 山口組に50年にわたって身を置いた元幹部の著者が、自らの極道人生を語り下ろしたノンフィクション。面白くて一気読み。

 著者は、昭和42年に起きた山口組三代目・田岡一雄暗殺未遂事件(ベラミ事件)の「報復」に動き、そのために懲役16年の実刑判決を受けて長期服役。
 だが、平成8(1996)年に出所したとき、バブル時代をくぐり抜けた山口組は、任侠道を忘れたカネまみれの巨大組織に変質していた。

 組の功労者にもかかわらず、著者は五代目に冷遇される。さらに、現・六代目の時代に組内抗争の巻き添えとなって理不尽な除名処分を受け、山口組を去る。

 ……まるで、『仁義なき戦い』と『アウトレイジ』をミックスしたような内容の本である。暴力と権謀術数渦巻くヤクザ社会のリアルが、印象的なエピソードの積み重ねで活写されていく。

 『噂の眞相』時代から腕利きとして知られたジャーナリスト・西岡研介が、インタビューと構成を担当。著者の関西弁の語りをそのまま活かした「聞き書き」のスタイルが成功しており、小気味よいリズムでグイグイ読ませる。

 宅見(勝)若頭射殺事件の絵図を描いたのが五代目組長の渡辺芳則であり、渡辺はその決定的証拠をつかんだ六代目・司忍の「クーデター」によって引退に追い込まれた……という真相がつぶさに明かされる7~8章は、じつに衝撃的。まさに『アウトレイジ』の世界だ。



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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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