コンドリーザ・ライス『ライス回顧録』


ライス回顧録 ホワイトハウス 激動の2920日ライス回顧録 ホワイトハウス 激動の2920日
(2013/07/26)
コンドリーザ・ライス

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 コンドリーザ・ライス著、福井昌子・波多野理彩子・宮崎真紀・三谷武司訳『ライス回顧録――ホワイトハウス 激動の2920日』(集英社/4200円)読了。書評用読書。

 書名のとおり、米国のブッシュ前政権の2期8年間を大統領の最側近(1期目は国家安全保障問題担当大統領補佐官、2期目は国務長官)として支えたスーパーウーマン、コンドリーザ・ライスの回顧録である。2段組で700ページ近い浩瀚な書で、翻訳は4人がかり。私も読むのに半日かかった。

 別途書評を書いたのでここではくわしく紹介できないのだが、なかなか面白かった。

 マイケル・ムーア的視点から見たら愚鈍な大統領の代名詞ともいえるブッシュ(息子)が、強い絆で結ばれたライスの視点から描かれると、英明な名リーダーに思えてくるからフシギだ(笑)。
 それでも、ブッシュの失言によってライスが対応に追われるような場面もいくつかあるのだが……。

 筆致はわりと淡々としていて、胸を揺さぶるような感動はあまりない本だが、さすがに「9・11」直後の出来事を描いた章には緊張感がみなぎっており、読む者の目を釘付けにする。

 ゴシップ的観点からいちばん面白いのは、ライスがリビアの故カダフィと面会するくだり。
 異性としてのライスに個人的に執心していたとされるカダフィは、ライスのために作った特別映像を披露する。それはライスのさまざまな写真を集めたもので、バックにはリビアの作曲家に作らせた「ホワイトハウスの黒い花」なる歌が流れていたという。国の最高指導者がまるでストーカーである(笑)。

 日本に対する言及は、ビックリするほど少ない。小泉純一郎に対してだけ評価が高いものの、あとの首相たちはそっけない言葉で一刀両断されている。
 同盟国たる日本が、アメリカからこの程度にしか関心を向けられていないのかと、悲しくなる本でもある。

■関連エントリ→ 岸本裕紀子『ヒラリーとライス』レビュー


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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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