森岡正博+寺田にゃんこふ『まんが 哲学入門』


まんが 哲学入門 生きるって何だろう? (講談社現代新書)まんが 哲学入門 生きるって何だろう? (講談社現代新書)
(2013/10/25)
森岡正博、寺田にゃんこふ 他

商品詳細を見る


 森岡正博+寺田にゃんこふ著『まんが 哲学入門――生きるって何だろう?』(講談社現代新書/819円)を読んだ。
 哲学者の森岡氏(大阪府立大学教授)が、なんと自ら全ページのマンガを描き下ろした話題作。

 これも仕事で読んだ。
 ……と書けば、察しのいい当ブログ読者はピンとくるかもしれない。先日取り上げた『新釈 うああ哲学事典』と抱き合わせで、「哲学を学ぶマンガ」として紹介するコラムを書いたのだ。

 森岡氏の著作はけっこう読んでいるし、前にインタビューしたこともあるが、絵も描ける人だとは知らなかった。

 もっとも、マンガといっても、帯に載っている「まんまるくん」なるシンプルなキャラがメインとなるもので、「図解」に近い代物。コマ割りはあるものの、背景などはほとんど描かれていないし、もちろん萌えキャラなど一切登場しない。

 マンガ家の寺田にゃんこふが共著者となっているが、森岡による鉛筆描きの原画に寺田がペンを入れ、「プロの線を与え」るというスタイルの共著なのである。
 ゆえに、フツーのマンガを期待して読むと肩透かしを食うだろう。

 それでも、本書はマンガという表現形式を活かした哲学入門として上出来だ。
 何より、既成の哲学を紹介・解説するのではなく、森岡自身の哲学を絵解きする形をとっている点が画期的である。

 「まんまるくん」と「エム先生」(森岡の分身だろう)の対話を通じて、「時間とは何か?」「『ある』とはどういうことか?」「『私』とは何か?」「死とは何か?」という哲学上の大テーマ4つが、各一章を割いてわかりやすく表現されていく。

 いわば、哲学者の頭の中を覗くことができるマンガ。哲学的思考の進め方とはどのようなものかを、マンガを通じてわかりやすく教えてくれる本である。

 巻末には30ページ以上にわたって、オススメ哲学書の「読書案内」が書き下ろされている。小さい活字でびっしりと情報がつまった充実の内容で、これ自体が独立した価値をもつものだ。

■関連エントリ→ 森岡正博『生命学をひらく』レビュー

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

里親募集中

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
31位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
22位
アクセスランキングを見る>>