pha『ニートの歩き方』


ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
(2012/08/03)
pha

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 pha(ファ)著『ニートの歩き方――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法』(技術評論社)読了。

 「京都大学卒のニート」としてマスコミにもよく紹介されている著者が、ニートとして生きるためのノウハウと心構えを綴った本。

 ニートといっても、著者はプログラミングやサイトのアフィリエイトなどによって最低限の生活費は稼いでいるし、ニートたちが集う「ギークハウス」というシェアハウスを運営(自身もそこに住んでいる)したりしている。「働いたら負け」どころか、そこそこ働いているのだ(ただし、雇われていないし、やりたくないことはやらない)。
 いわば“ニート界のエリート”であり、一般的なニートのイメージよりはノマドに近い気がする。

 本書は、ニートを目指す(?)ための実用書として読めるが、同時に、“ニートの人生哲学”を開陳したある種の幸福論としても読める。世のニートたちがどんなふうに考え、どんな人生観をもって生きているのかを、わかりやすく教えてくれる本なのだ。頭がよく、文章力もある著者は、大半のニートが言語化できずにいた「思い」を、うまく言語化してくれたのである。

 古市憲寿が『絶望の国の幸福な若者たち』で論じた、“お金がなくても、けっこう幸福に生きているいまどきの若者たち”のモデルケースを、本書に見る思いがする。

 ただ、著者の人生観は、私自身の人生観とはおよそ相容れない。とくに、随所に顔を出す「どうせ人生に意味なんてないんだし」式の諦観、ニヒリズムが鼻について仕方ない。
 本書に紹介された、“ニートたちが日がな一日ゲームなどをしてダラダラと楽しくすごす様子”がいま眼前にあったとしたら、説教したくなると思う(笑)。まあ、私は若者に説教かますようなキャラではないので、実際にそうしたりはしないけど……。

 人生観は相容れないけれど、こういう生き方もまあアリかな。ニートに対する見方がよい方向に変わる本ではある。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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