LEO今井『MADE FROM NOTHING』


Made From NothingMade From Nothing
(2013/06/26)
LEO今井

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 LEO今井のニューアルバム『MADE FROM NOTHING』(ユニバーサル/3000円)を購入。

 向井秀徳とのユニット「KIMONOS(キモノズ)」のアルバムを間に挟んでいるものの、LEO今井名義ではじつに4年ぶりとなるサードアルバム(ほかにインディーズでのアルバムもあり)。

 向井とのコラボレーションの影響なのか、本作はこれまででいちばんロック色の強いアルバムになっている。
 とくに冒頭の3曲は、ナンバーガールやZAZEN BOYSを彷彿とさせるソリッドなロックナンバーで、ビリビリとした緊張感が心地よい。



 後半になるとギターがやや後景にしりぞき、エレクトロ・ファンク色/テクノ色が強くなる。
 全体に、過去2作よりも重く、分厚く、冷たい音。
 前作『Laser Rain』のリードシングル「Taxi」のようなキャッチーなナンバーがないかわりに、洋楽ロックの中にまぎれこませても違和感のない音になっている。とくに、全編英語で歌っている2曲は、もう完全に洋楽だ。

 推察するに、LEO今井にとってJ-POPのファン層はもはや眼中になく、本作ではいよいよ、長年洋楽ロックを聴き込んできたコアなロックファン層に的を絞ったのではないか(J-POPへのすり寄りが感じられた前作とは対照的)。

 ひんやりとしたエレクトロ・サウンドと叩きつけるようなバンド・サウンドが絶妙のバランスでからみ合い、陰と陽のダイナミズムを織りなす。じつにカッコイイ。このカッコよさは世界レベル。
 
 LEO今井のヴォーカリストとしての魅力はこれまであまり語られてこなかった気がするが、今回はヴォーカルがじつによい。
 デヴィッド・ボウイ~ピーター・ガブリエルの系譜を継ぐ、陰影を帯びた、男の色気を感じさせるヴォーカル。とくに、タイトルナンバー「MADE FROM NOTHING」でのリフレイン部分の熱唱など、耳について離れない素晴らしさだ。

 歌詞の英語/日本語のバランスから言うと、前作よりやや英語の比重が上がった。
 私は、彼に全曲英語のアルバムを出してもらいたい(過去の作品を英語ヴァージョンにしたベスト盤を、欧米向けに出してもよい)。ヨーロッパでの生活も長かったマルチリンガルである彼は、音楽のクオリティからいっても、日本でいちばん欧米で成功する可能性が高いアーティストだと思うからだ。

■関連エントリ
LEO今井『Fix Neon』レビュー
LEO今井『Laser Rain』レビュー
KIMONOS『Kimonos』レビュー

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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