アニー・ハズラム『ムーンライト・シャドウ』


ムーンライト・シャドウ(アニー・ハズラム) - リマスター(直輸入盤・帯・ライナー付き)ムーンライト・シャドウ(アニー・ハズラム) - リマスター(直輸入盤・帯・ライナー付き)
(2010/06/16)
アニー・ハズラム



 アニー・ハズラムの『ムーンライト・シャドウ』を、中古で購入。

 英プログレ界が誇る美声の歌姫が、ルネッサンス解散後の1989年に発表したセカンド・ソロである。

 アニーももう60代半ばだが、本作は30代末の作品。だから当然といえば当然だが、5オクターブの伸びやかな歌声はルネッサンス全盛期とまったく変わらない。

 邦題が示すように、マイク・オールドフィールドのヒット曲「ムーンライト・シャドウ」をカヴァーしている。原曲のヴォーカル、マギー・ライリーも美声の持ち主だから、アニーのヴォーカルともピッタリ合っている。原曲と甲乙つけがたい出来。

 ムーディー・ブルースのジャスティン・ヘイワード(ギター)や、元キング・クリムゾンのメル・コリンズ(サックス)など、豪華ミュージシャンが参加したサウンドもきらびやかである。


↑本作のサウンドを代表する曲「嘆きの天使(The Angels Cry)」

 ただ、「ルネッサンスそのものの再現」を求めてしまうと、肩透かしを食う。
 ルネッサンスはプログレ・バンドの中でもひときわクラシカルな、生ピアノ、生ギター、ストリングス中心のサウンドであった。対して本作は、プロデューサーでもあるラリー・ファーストのデジタル・シンセが核を成している。
 とはいえ、いわゆる「打ち込み」のペラい音とは一線を画しているのだが、それでもルネッサンス時代の音とはまるで別物である。もっとポップだし、もろ80年代的な音なのだ。そもそも、プログレ色も薄い。
 アニー自身もソングライティングに参加した「セレスティン」というバラードが、ほとんど唯一ルネッサンスぽいかな。

 それでも、曲は粒揃いだし、「ルネッサンスとは別物」とわきまえたうえで聴けば十分楽しめる良作。


↑ルネッサンス全盛期の名曲「Carpet Of The Sun」

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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