広瀬隆『原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論』


原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論 (集英社新書)原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論 (集英社新書)
(2012/11/16)
広瀬 隆

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 一昨日と昨日は、東日本大震災の関連取材でまた宮城県へ――。

 仙台→気仙沼→石巻→亘理町と回って、被災者の方々に3・11からの2年間についてうかがう。そのうち2組のご夫婦は、いまも仮設住宅にお住まいであった。
 たとえ津波で家を流されても、「心の財はけっして壊されない」と思い定めて前を向きつづけ、自分よりも他者のために尽くそうとする――そんな姿勢に胸打たれた。


 行き帰りの新幹線で、広瀬隆著『原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論』(集英社新書/798円)を読了。

 「原発などなくても電気は足りる。なぜなら、原発分を補って余りある新エネルギー技術が、すでに開発されているからだ」(カバーそでの惹句より)と、「脱原発のリアリズム」を説く本。

 「朝まで生テレビ!」などの印象から、広瀬隆というとエキセントリックな人という印象をもっていたが、少し印象を改めた。本書の「脱原発論」は非常に明快で現実的。現実離れした理想論を弄ぶ感じは微塵もない。

 最新のデータ・知見を駆使して、なぜ原発が必要ないかをきわめて具体的に解説して、目からウロコが落ちまくる内容。また、太陽光発電などの自然エネルギーだけでは原発を代替するにはまったく不十分だとして、自然エネルギーに過度に期待する風潮にも厳しい批判を加えている。

 優れた科学啓蒙書だと思うし、未来に希望がわいてくる本でもある。
 ただ、著者が政治家・官僚・財界人・マスコミ・原発業界を罵るくだりが随所にあって、そこが不快。著者としては力強くアジっているつもりなのだろうが、私は「口汚く罵っている」という印象しか受けなかった。
 たとえ著者にとって「敵」であったとしても、普通の言葉で冷静に批判すればよいものを……。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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