中条省平『マンガの教養』


マンガの教養―読んでおきたい常識・必修の名作100 (幻冬舎新書)マンガの教養―読んでおきたい常識・必修の名作100 (幻冬舎新書)
(2010/11)
中条 省平

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 中条省平著『マンガの教養――読んでおきたい常識・必修の名作100』(幻冬舎新書/798円)読了。

 かつてマンガは「反教養」的存在であったが、いまやある種の教養になっているのだから、「最低限の教養として、この程度は読んでおきたい」という基準となる作品群があるはずだ……と、おおむねそのような意図のもと、著者が愛する日本のマンガを、一作家一作品に絞って100作紹介する名作ガイド。

 類書に大塚英志+ササキバラ・ゴウの『教養としての〈まんが・アニメ〉』があるが、これは作品ガイドではなく、突出した作家数人を取り上げ、そこから全体を概説するものだった。よって、2冊を併読するとよいかもしれない。

 中条省平は優れた批評家だし、マンガを見る目もたしかだと思う。本書の100作品のセレクトも、マニアックすぎず、一般的すぎずのバランスを保ったもので、おおむね納得できる。

 ただ、一作品について見開き2ページの短い文章で紹介するという制約があるため、批評としての読みごたえはあまりない。どの文章も食い足りず、言いたいことを言い切っていない隔靴掻痒感があるのだ。
 「やっつけ仕事」とまでは言わないが、中条が批評家としての本気を出して書いた本とはとても思えない。

 ケアレスミスとおぼしき誤記もある。
 たとえば、近藤ようこの『水鏡綺譚』に「みずかがみきたん」とルビがふってある。正しくは「すいきょうきたん」である(だから近藤ようこのツイッターアカウントも「@suikyokitan」)。
 これは編集者のミスかもしれないが、著者も当然ゲラをチェックしているはずだから、いずれにせよずさんなことだ。

 ま、とりあえず「マンガの教養」の基本線を知るためには悪くない本ではある。 

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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