エマーソン、レイク&パーマー『ELP四部作』


ELP四部作ELP四部作
(1999/07/07)
エマーソン・レイク&パーマー

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 今日は、赤坂で座談会の取材(兼・司会進行)。ゴーストの仕事なので、詳細はナイショ。


 昨日、立川の「ディスクユニオン」に寄ったら、エマーソン、レイク&パーマーの『ELP四部作』(Works Volume 1)の中古が800円という破格値で出ていたので、購入。
 CDケース不良(ワレあり)なので安かったのだが、日本盤で帯付きだし、盤の状態もよかった。家にあったキレイなCDケースに入れ替えたら、新品同様にピカピカ。いい買い物だった。

 この『ELP四部作』は1977年発表の2枚組大作で、私も昔アナログ盤で聴きまくったアルバム。しかしCDでは所有していなかったので、久しぶりに聴いた。

 いやー、改めて聴くとすごくいい。
 なぜ邦題が「四部作」かといえば、メンバー3人のソロアルバムの寄せ集めプラスELPとしての新曲からなるアルバムだから……。アナログLPレコードの片面がそれぞれ、各メンバーのソロサイド+ELPサイドになっており、4つに分かれているわけだ。

 つまり、ビートルズでいえば『ホワイト・アルバム』みたいなもので、「解散前の最後の輝き」という趣のアルバムなのだが、そういう経緯はともかく、どのサイドも聴き応えがある。

 ファースト・サイドを飾るキース・エマーソンの「ピアノ協奏曲第1番」は、タイトルのとおり“もろクラシック”。キースがピアノでオーケストラと共演している。
 形式はクラシックでも、ロック的なダイナミズムとスピード感があり、ロック・ファンにも十分愉しめる。クラシックのどんな名曲よりも心が浮き立ち、鮮やかな色彩が心に広がる。キース・エマーソンの作曲家としての本領が発揮された素晴らしい曲だ。

 つづくグレッグ・レイクのサイドは、彼の美声が十全に活かされたポップな「歌もの」サイド。とくに、「今夜は愛の光に包まれて」は、聴いているだけでハッピーな気分になる名曲。

 カール・パーマーのサイドは最もロック色が濃く、野性味あふれるドラミングが堪能できる。
 ゲストのジョー・ウォルシュのギターが暴れまくる「L.A.ナイツ」もよいが、何より、ELPのファーストアルバム所収の「タンク」のリメイクが最高。、ホーン・セクションとストリングスを大胆にからめて、原曲をしのぐ出来栄えとなっている。

 最後のELPサイドは、「庶民のファンファーレ」と「海賊」(Pirates)の2曲からなる。
 2曲とも後期ELPの代表曲と言ってよいものだが、とりわけ、13分弱の曲に壮大な物語を詰め込んだロック・シンフォニー「海賊」は素晴らしい。


↑ELPの「海賊」。勇壮にして優美。まさに「神曲」。

 改めて聴き直してみると、このアルバムの曲の多くが、心浮き立つ明るさと優雅さを兼備していることがわかる。
 ELPのアルバムのうち、一般に最高傑作として挙げられる『恐怖の頭脳改革』『タルカス』『展覧会の絵』あたりには、無骨さと狂気じみたパワーの暗い魅力があった。私はそれらのアルバムも好きだが、この歳になってみると、『四部作』の明るさと優美に心惹かれる。

 ただし、本作の続編的位置づけで出されたアルバム『作品第2番』(Works Volume2)は、アウトテイクの寄せ集めのような駄作だった。ジャケもそっくりなので、お間違えなきように。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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