ZAZEN BOYS『すとーりーず』


すとーりーずすとーりーず
(2012/09/05)
ZAZEN BOYS

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 ZAZEN BOYSの『すとーりーず』を聴いた。昨年9月発表の、5枚目のフルアルバム。

■収録曲目
1. サイボーグのオバケ
2. ポテトサラダ
3. はあとぶれいく
4. 破裂音の朝
5. 電球
6. 気がつけばミッドナイト
7. 暗黒屋
8. サンドペーパーざらざら
9. 泥沼
10. すとーりーず
11. 天狗



 個人的には、これまでの5作のうちでいちばん気に入った。
 向井秀徳にとっては原点回帰というか、ナンバーガール後期の『SAPPUKEI』(私はこれがいちばん好き)や『NUM-HEAVYMETALLIC』を彷彿とさせる部分が随所にある。

 たとえば「破裂音の朝」という曲に見られるやるせなさ・切なさは、『SAPPUKEI』所収の数曲を思い出させる。
 鋼鉄の鎧でおおわれたようなソリッドな音でありながら、ナンバガの曲にはどこかにこういう哀切さがつねにあったものだが、ZAZEN BOYSの曲にはあまりなかったように思う。哀切復活、である。

 ただし、ギターやキーボードまでもがリズム楽器的役割を果たし、稠密な“ビートの結晶体”となって聴く者に迫ってくるというサウンドの構造は、やはりナンバガというよりZAZEN BOYS。

 どの曲も、リズムがまっすぐに進まない。曲がり角の多い道路を猛スピードで突っ走り、壁にぶつかる寸前できわどい方向転換をくり返していくような音。その「ぶつかる寸前」のようなスリルが、慣れると耳に心地よい。

 一曲目「サイボーグのオバケ」から「破裂音の朝」に至る4曲のシークエンスは、パーフェクトな仕上がり。ほかにも「サンドペーパーざらざら」やタイトル・ナンバーなど、いい曲がいろいろある。



 トータルプレイングタイムが36分弱という短さだけが玉に瑕。ほかは非の打ち所がない傑作。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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