吉田豪『人間コク宝 まんが道』


人間コク宝 まんが道人間コク宝 まんが道
(2012/09/18)
吉田 豪

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 吉田豪著『人間コク宝 まんが道』(コアマガジン/1600円)読了。

 「プロインタビュアー」の吉田が、濃ゆ~い人々にディープなインタビューをする『人間コク宝』シリーズの最新刊。タイトルのとおり、今回はインタビューイが全員マンガ家(1人はマンガ原作者)である。

 登場するのは、花沢健吾、福満しげゆき、浅野いにお、古泉智浩、若杉公徳、泉晴紀、佐藤秀峰、福本伸行、板垣恵介、 小池一夫、小林よしのり、古屋兎丸、川崎タカオ、カラスヤサトシ、地下沢中也、村上和彦、杉作J太郎といった面々。

 見てのとおり男ばかりで、しかも一癖も二癖もある人ばかり。
 過去の『人間コク宝』シリーズには、アウトロー系というか無頼系というか、男臭くてアブナイ面々が登場することが多かった。しかし、今回は一転して「童貞をこじらせた」サブカル系マンガ家が多い。アウトロー系と言えるのは板垣恵介と極道マンガの村上和彦くらいで、この2人はむしろ本書の中では浮いているのだ。

 その意味で本書は、これまでの『人間コク宝』シリーズよりも、むしろ『サブカル・スーパースター鬱伝』に近いといえる。

■関連エントリ→ 吉田豪『サブカル・スーパースター鬱伝』レビュー

 過去の『人間コク宝』シリーズのような、仰天エピソードが連打される面白さはあまりない。武勇伝のたぐいより、各人の童貞時代の脳内妄想や、悶々としたイタい青春に光が当てられるからだ。

 女の子にモテないと漫画家になりやすいんです。なぜならば、女の子にモテてたら漫画なんて描いてられないんですよ、あんなコツコツしたこと(笑)。



 ――これは福本伸行の発言だが、登場するマンガ家の多くが「非モテ側」に属する人なのである。

 また、創作の舞台裏がテーマになるわけではないので、マンガ家志望の若者が読んで役に立つような本でもない(たとえば小林よしのりの回など、作品の話よりAKBの話のほうがメインw)。それでも、登場するマンガ家のファンなら一読に値するインタビュー集ではある。

 それにしても、どこか歪んでいてめんどくさい人の多い業界だなあ。本書の中では小池一夫がいちばんマトモに見える。とくに、福満しげゆきと花沢健吾の歪みっぷりには唖然。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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