Ali『十五』


十五十五
(2008/09/02)
Ali

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 昨日は愛知県岡崎市で、株式会社「DDR」社長でブランディング・プロデューサーの安藤竜二さんを取材。

 安藤さんは話が抜群にうまく、インタビューというよりまるで講演を聴いているような感じだった。ときどき相槌を打つだけでオーケイ、みたいな。
 取材の途中で、安藤さんと私の誕生日が同じ(3月16日)であることがわかり、ビックリ。まあ、まれにはこういうこともある。

 
 Ali著『十五』(講談社)読了。

 作家・女優の前川麻子が別名義で書いた「ケータイ小説」である。
 故・松田優作との不倫関係を軸に、小説の形で自らの少女時代を明かした、いわば「仮面の告白」小説。ただし、優作とおぼしき人物は本作では「岸田多喜雄」になっており、自分のことは「中川有(アリ)」としている。

 ケータイ小説サイトに発表されたものであり、本書もケータイ小説のセオリーどおり横書き表記になっている。
 ゆえに便宜上「ケータイ小説」と呼ぶが、凡百のケータイ小説など比較にならないくらい、「ちゃんとした小説」である。
 ケータイ小説なんて、小説以前、文章以前のものが多いわけだから、作家デビューして10年以上になる前川麻子の文章と雲泥の差なのも、当然といえば当然だ。

 ゴシップ的興味から読んだのだが、読んでみたら私小説として優れた作品であった。
 15歳の少女と中年にさしかかった人気俳優のひそやかな関係、という特異な題材から、マルグリット・デュラスの『愛人/ラマン』を彷彿とさせる部分もある。『愛人』に「十八歳でわたしは年老いた」という名高い一節があるが、本作もそんなフレーズが似合いそうな、15歳にして何もかも知ってしまった少女の物語だ。

 前川麻子は松田優作が主演した『家族ゲーム』に端役で出演していたから、実際にはあのへんから関係が始まったのかな、などと想像する。

 前川さんとは、20年くらい前に一度取材でお会いしたことがある。彼女が主演したにっかつロマンポルノ『母娘監禁 牝<めす>』を観てすぐのころだったから、ドキドキしたものだ(笑)。
 『母娘監禁 牝<めす>』は、タイトルはスゴイが中身は優れた青春映画であり(脚本は荒井晴彦)、前川さんの演技も素晴らしい。女優としても作家としても豊かな天稟に恵まれた人だと思う。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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