本田直之『ノマドライフ』


ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきことノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと
(2012/03/16)
本田直之

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本田直之著『ノマドライフ――好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと』(朝日新聞出版/1470円)読了。

 私が「ノマドワーキング」なる言葉を初めて知ったのは、佐々木俊尚の『仕事するのにオフィスはいらない――ノマドワーキングのすすめ』(2009年)を読んだときだった。

 以来約3年。目新しかった「ノマド」はあっという間に流行→消費され、昨今では苦笑まじりに口にされる言葉になりつつある。たとえば、『週刊SPA!』5/29・6/5合併号の特集タイトルは、「ノマド入門(笑)」だった。

 が、語としての陳腐化とは裏腹に、広義のノマド志向は着実に世のメインストリームになりつつあるのではないか。

 コワーキングスペースがどうとか、マックブックをもってスタバで仕事するのがカッコイイとか、そういう表層的なことはどうでもいいのだが、「身軽であること、なるべくモノをもたないこと、会社に縛られず自由に働くこと」を志向するノマドの基本的な考え方は、私にも大いに共感できる。世の中がそういう方向に向かうこと自体は大歓迎である。

 だいたい、フリーランサーはみんな「半ノマド」みたいなものだ。私自身、一つの会社に縛られるのがイヤだからフリーで働いているのだし、モノに対する執着もごく薄い。ただし、もっぱら自宅で仕事をしているので、その点でノマドとは言えないが……。

 本書は、『レバレッジ・リーディング』などの『レバレッジ~』シリーズで知られる著者が、おもにサラリーマンに向けて説く“ノマドライフのすすめ”。

 以前『レバレッジ・リーディング』を読んだときに内容の薄さに驚いたものだが、本書もあっという間に読めてしまう薄い(量的にも質的にも)本だ。
 ただ、ノマドライフとはどのようものかを手っ取り早く知るためには悪くない本だと思う。

 一口にノマドワーカーといっても、その内実はピンキリだ。最下層にはフリーターとなんら変わらない「プアーなノマド」がいて、最上層には著者のような「リッチなノマド」がいる。

 著者はハワイと東京に住まいを持ち、昨年の「6割はハワイ、4割は日本、2割をその他の国で過ごし」たのだという(これだと計12割になってしまうが、1割=1ヶ月という意味か)。
 そして、昨年1年間で飛行機で18往復するような移動の多い暮らしをしながら、「会社を経営し、ベンチャー企業への投資育成に携わり、執筆活動を行い、大学などで講演し、ワインの講座をもち、トライアスロンやサーフィンといった趣味も謳歌して」いるのだとか。

 いや~、じつに華麗なノマドライフですなぁ。
 ま、読者が本書に背中を押されて「ノマド」になったとしても、著者のようになれる確率は測定限界以下だろうけど……。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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