小池昌代『通勤電車で読む詩集』


通勤電車でよむ詩集 (生活人新書)通勤電車でよむ詩集 (生活人新書)
(2009/09)
小池 昌代

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 小池昌代編著『通勤電車で読む詩集』(NHK出版・生活人新書/693円)読了。

 人気女流詩人が、古今東西の名詩41篇をセレクトし、各編に短いコメント(解説とか鑑賞というほど堅苦しいものではない)を付したアンソロジー。
 少し前に読んだ茨木のり子の『詩のこころを読む』の類書である。おそらく小池昌代も、『詩のこころを読む』を十分に意識して本書を編んだことだろう。だからこそ、取り上げられた詩は一篇も同書と重複していない。

 最近の若い詩人の作品から、宮沢賢治やエミリー・ディキンソンまでが登場するセレクトは、脈絡がないといえばないし、『詩のこころを読む』よりも古典寄りだ。が、著者が付していくコメントがとても気が利いていてカッコイイので、教科書的な堅苦しさは皆無である。

 コメントはそれぞれ400字にも満たない短いものだが、それでもさすがにコメント自体が一篇の詩のようにキマっている。
 たとえば、あまりにも有名な北原白秋の「からたちの花」に付されたコメントには、次のような一節がある。

 詩と歌詞は違う。しかし白秋のこの詞を読む時、私は、言葉が、むかし、歌から別れてきたところを、目撃しているような気分になる。



 また、冒頭に置かれた「次の駅まで――はしがきにかえて」という著者の文章も、一篇の詩として味わうことができる。これも一節を引こう。

 詩を読む態度として必要なのは、その詩を理解しようとか解釈しようとか説明しようというものではなく、その一篇に、丸裸の心を差し出し、その一篇と踊る用意があるかどうかという、それだけだ。



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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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