ちきりん『ゆるく考えよう』


ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法
(2011/01/20)
ちきりん

商品詳細を見る


 ちきりん著『ゆるく考えよう――人生を100倍ラクにする思考法』(イースト・プレス/1365円)読了。

 先日読んだ『自分のアタマで考えよう』がよかったので、同じ著者の単行本デビュー作(2冊とも昨年刊行)を読んでみた。

■関連エントリ→ ちきりん『自分のアタマで考えよう』レビュー

 本書は、アルファブロガーの著者がブログに書いたエントリを厳選し、それに加筆修正を施したもの。

 広義の自己啓発書といえる内容だが、既成の自己啓発書とはベクトルが逆だ。
 自己啓発書の基本形が「MORE!」(「もっと高い目標を持て」「もっと人脈を広げよ」「もっと時間を有効活用せよ」など)であるのに対し、本書の主張は「LESS!」が基本形(「目標は低く持ちましょう」「『人脈づくり』はたぶん無意味です」「退屈な時間を楽しもう」など)なのだ。
 言いかえるなら、既成の自己啓発書のメイン・メッセージが「あきらめるな。努力すればあなたも成功(もしくは自己実現)できる!」であるのに対し、本書は“無駄な努力はやめ、あきらめるべきことはさっさとあきらめて、分相応に楽ちんに生きよう”という、ポジティブな諦観を説く書なのである。

 「諦観」というととかく暗いものだととらえられがちだが、じつは明るい諦観もある。そして、本書の内容は明るい諦観の見本のようだ。たとえば――。

 日本は目標が高すぎるのです。「アメリカと互角に!」とか「中国には負けるな!」とか過大な野望を持つのはやめて気楽にいきましょう。個人も同じです。目標を低く設定すると楽になれます。幸せに生きるためにも、目標は低いほうがいいのです。



 人脈やネットワークとは「結果としてついてくるもの」であって、それをつくるためにわざわざ努力するようなものではありません。そんな時間があったら自分が好きなことに集中し、その分野で「すごく魅力的」といわれる人を目指したほうが、将来きっと役に立つでしょう。



 肩の凝らない人生論・幸福論としても魅力的な一冊。
 ただし、中には首をかしげるような項目もあるし、本としてのまとまりや完成度は『自分のアタマで考えよう』のほうが一段上だと思う。

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

ブクログ・MY本棚

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
43位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
30位
アクセスランキングを見る>>