茨木のり子『詩のこころを読む』


詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)詩のこころを読む (岩波ジュニア新書)
(1979/10/22)
茨木 のり子

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 一昨日は、神奈川で美容師さんの取材。
 なかなかイケメンの美容師さん(独身)で、「彼に会いたくて通う女性客も多いのだろうなあ」などと思いつつ話を聞く。

 行き帰りの電車で、茨木のり子著『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書/819円)を読了。

 先日読んだ鈴木敏夫さん(スタジオジブリ)の著書の中で紹介されていたもの。
 鈴木さんが宮崎駿・高畑勲コンビと知り合って間もないころ、2人の教養に追いついて対等に会話できるようになりたい一心から、彼らの愛読書を片っ端から濫読したという。そのうちの一冊がこれで、高畑勲が愛する本の一つだとか。
 1979年刊で、私が買ったものは2010年の第70刷。ロングセラーなのである。

 詩人茨木のり子が、若い読者(岩波ジュニア新書の主要読者層である10代後半)に向けて自分の愛する詩の数々を紹介し、そのどこが素晴らしいのかを綴っていく本。詩の味わい方入門であり、名詩ガイドでもあるのだが、教科書的な無味乾燥や「上から目線」とは無縁である。文章も平明。
 セレクトされている詩の大半は戦後日本の詩であり、若者にとってもとくに身構えずに読めるものばかりだろう。

 あたりまえだが、著者による地の文自体が詩的香気に満ちたものなので、上質の詩集を読むように味わうことができる。

 私が傍線を引いた一節を挙げる。

 詩は感情の領分に属していて、感情の奥底から発したものでなければ他人の心に達することはできません。どんなに上手にソツなく作られていても「死んでいる詩」というのがあって、無惨な屍をさらすのは、感情の耕しかたが足らず、生きた花を咲かせられなかったためでしょう。



 汚いものでも十分詩になり、詩語という特別のものは何もなく、ふだんの言葉が昇格するだけで、詩の美しさは結局それを書いた人間が上等かどうかが、極秘の鍵を握っているらしい……そんなこともいろいろ教えられます。(濱口國雄の詩「便所掃除」に触れて)



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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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