デオダート『Original Album Classics』


Original Album ClassicsOriginal Album Classics
(2011/10/04)
Deodato

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 デオダートの『Original Album Classics』を輸入盤で購入。

 旧作アルバムを廉価でセット販売する『Original Album Classics』シリーズには、なぜか5枚組セットのものと3枚組セットのものがある。これは3枚組。いずれにせよ、1枚ずつ買うよりはずっと安い。本作は送料込み1200円ほどでゲット。

 デオダートことエウミール・デオダートはブラジル出身のアレンジャー/キーボーディストで、ボブ・ジェームスらと並ぶフュージョンの草分けの1人。
 フュージョンがまだ「クロスオーバー」と呼ばれていたころ、マイルス・デイビスやマハヴィシュヌ・オーケストラなどの硬派路線とは逆方向にクロスオーバーの地平を切り拓いたのが、デオダートやボブ・ジェームスらであった。

 「逆方向」とは、要するに「ジャズの大衆化」路線。ジャズにクラシックやロックなどの要素を取り入れることで、従来のジャズの小難しさから脱却し、心地よくカッコイイBGMになり得る音楽、ということ。
 デオダートやボブ・ジェームスらが1970年代前半から中盤にかけ、「CTIレーベル」で出したそうした方向性のアルバムは、現在のスムース・ジャズの源流であり、70年代後半以降のフュージョン・ブームの先駆でもあった。

 ……と、知ったふうなことを書いているが、1970年代前半の音楽動向など、私とてリアルタイムで知っているわけではない。
 70年代末、CTIレーベルの名作群を1枚1500円の廉価版LPレコードとして売り出すシリーズがあって、少年時代の私はそのシリーズをせっせと買っていたのである。それらはいずれも、当時の私にとっては画期的に大人っぽい、カッコイイ音楽だった。

 そのシリーズで知ったアーティストの1人が、デオダートだった。
 この3枚組セットにも入っている彼のファースト『ツァラトゥストラはかく語りき』(1972年)とセカンド『ラプソディー・イン・ブルー(デオダート2)』(1973年)は、いずれも当時LPで聴きまくったアルバムである。

 いま聴いても、この2枚は甲乙つけがたい名盤だと思う。クラシックの名曲をフュージョン化した曲はどれもアレンジが見事の一語だし、オリジナル曲はブラジル音楽のテイストをスパイスに用いたすこぶる独創的なフュージョンだ。
 そして、そのうちの何曲か――「セプテンバー13」や「摩天楼(スカイスクレイパーズ)」など――は、完全にジャズ・ロックである。スタンリー・クラークやビリー・コブハムなど、ジャズ・ロック畑の腕利きたちを揃えて、いまなお色褪せないカッコイイ音を聴かせてくれる。





 ↑この「摩天楼(スカイスクレイパーズ)」は、その昔ローカル・テレビ局で放映していた洋楽ビデオ・クリップ番組の草分け「ポップス・イン・ピクチャー」(京都のテレビ局で作っていたようだが、私は群馬テレビで観ていた。あの「ベストヒットUSA」にも数年先行しており、当時「洋楽スターの動く姿」が観られる機会はこの番組くらいしかなかった)のテーマ曲に使われており、その点でも私にとっては懐かしい曲。

 なお、このセットにはもう1枚、アイアート・モレイラと共演したライヴ・アルバム『イン・コンサート』が入っているのだが、これはなんだかパッとしない凡作だった。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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