『小出裕章が答える原発と放射能』


小出裕章が答える原発と放射能小出裕章が答える原発と放射能
(2011/09/02)
小出 裕章

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 近々また福島に震災関連取材に赴く予定があるため、書籍から情報収集を開始。
 まずは、小出裕章著『小出裕章が答える原発と放射能』(河出書房新社/1050円)を読了。

 一般の人々から寄せられた、現在とこれからの日本の「原発と放射能」をめぐる素朴な疑問に、著者が一つひとつ平明に答えた本。一つの質問について平均2ページずつの簡潔な答えが並んでいる。

 福島第一原発の事故が終息とはほど遠い状態のなか、少しでも安全に暮らすためにはどうすればよいか、また、これからの生活についてどのような心構えをもてばよいのかが語られている。

 つまり一種の「実用書」であるわけだが、文章の端々ににじむ著者の深い覚悟と、科学者としての矜持が胸を打つ本だ。
 そしてまた、暗澹たる思いにとらわれる本でもある。たとえば、こんな一節がある。

 これからは、「安全」とか「大丈夫」という言葉は使わないでください。放射能が低ければ大丈夫ということはありません。今後は一人ひとりが放射線量を確認し、この量ならばがまんできるという判断を各自でするしかないのです。



 いちばん印象に残ったのは、福島の汚染された農産物や海産物を、中年以上の世代が積極的に引き受けるべきだと訴えたくだり。

 それらの作物は、出荷制限せずに流通させ、価値のある物として消費者が受け入れないと、福島の一次産業は崩壊してしまいます。
 一方で、子どもたちを守りたいので、子どもたちにそれを食べさせたくありません。
 だから、大人が積極的に食べるべきです。
 歳を取るほど放射線の感受性がどんどん鈍くなります。五○歳代、六○歳代になると、被曝によるがんの発症率はぐんと下がります。また、私も含めてそういう年代の人たちは、原発をここまで増やしてしまったという責任もあるのではないかと思いますから、大人が食べてほしいと思います。



 まったく同感。私はまだ50代には3年あるが、子どもももう2人いてこれ以上増やす予定もないし、福島産の農畜産物、海産物、全部ウェルカムである。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。56歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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