「震災うつ」?

 未曾有の大災害勃発から丸3日――。
 東京都下の我が家でも相当激しく揺れたが、本棚から本が落ちる程度の軽微な被害で済んだ。

 が、物理的被害よりも、精神的ダメージのほうがはるかに大きかった気がする。
 震災当夜、うとうとするたびに余震で起こされてほとんど眠れず、翌日ボーッとする頭で被災地のすさまじい模様をテレビで観つづけたせいか、だんだん気分が落ち込んできてナーバス・ブレイクダウンに陥り、丸一昼夜何もする気が起きなかった。
 ようやく昨日から気分が回復し、昨晩から仕事を再開したしだい。

 念のために言っておくと、これまで私はメンタルクリニックのたぐいを受診したことは一度もなく、抗うつ剤、睡眠薬、精神安定剤なども飲んだことがない。一見神経質そう(らしい)でじつは無神経、一見繊細そう(らしい)でじつは図太い人間なのである。

 その私にして、今回の大震災には強烈な無力感と不安感にさいなまれたのだ。ましてや、もともとうつ傾向のある人なら、直接震災被害を受けていなくても、精神的ダメージは相当大きいのではないか。

 もちろん、それは被災者の方々の絶望と悲しみに比べたら、千分の一、万分の一にも満たないだろう。それは重々承知だが、そのうえで、被災地以外の人々へのメンタルケアも重要な課題ではないかと感じた(不安を煽るばかりの震災報道もいかがなものかと思う)。

 阪神大震災に際しても、「震災うつ病」「震災躁病」と呼ばれる現象が見られた。私はてっきりそれらは被災者の方々がなるものだと思っていたが、そうとはかぎらず、被災地の模様をテレビ等で観たことが引き金になるケースも多いそうだ。
 阪神大震災では「ボランティア躁病」と名付けられた事例(テレビで見た被災地の惨状が引き金で躁転し、後先考えず現地に向かい、ハイテンションではた迷惑な行動をくり返す……という感じかな?)も多数報告されたというが、今回の大震災でも同様の事例が多数生まれそうである。

 あなたの周囲のうつ傾向のある人も、たとえ被災地から遠く離れた地に住んでいたとしても、この震災(報道)で深刻なダメージを受けているかもしれない。電話して、優しい言葉をかけてあげるとよいと思う。

■当ブログの関連エントリ→ 和田秀樹著『震災トラウマ』レビュー

■参考記事→ 丸岡いずみの休養理由は震災うつとの証言 被災地取材で無力感(NEWSポストセブン)
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  • 2012-03-09│12:31 |
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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