ロータスの伝説(紙ジャケット仕様) (22面体ジャケット仕様) (2006/06/07) サンタナ 商品詳細を見る |
レンタルでまとめて聴いたCDの感想をメモ。
サンタナの1973年の日本公演を収めたライヴ盤『ロータスの伝説』(発表は74年)を、初めて聴いた。
ディープ・パープルの『ライヴ・イン・ジャパン』などと並んで、日本録音のライヴ・アルバムの傑作に数えられる作品。3枚組のボリュームに気圧(けお)されて、私はこれまで敬して遠ざけていた。横尾忠則が手がけた22面体の変形ジャケットも完全再現した、思い入れたっぷりの紙ジャケ盤である。
演奏に先立って司会者から、メンバーの希望で観客とともに1分間の黙祷(瞑想)を捧げたい旨がアナウンスされる。そして、きっかり1分間無音の状態がつづく。それがそのままアルバムに収録されていることに、度肝を抜かれる。
演奏が始まると、3曲目の「果てしなき道」あたりから、すさまじい音圧でリズムとギターの洪水が身を包む。インスト曲が多く、ラテン・ロックというよりもむしろファンク寄りのジャズ・ロックという趣。じっさい、本作でも収録曲が演奏される『キャラヴァンサライ』はジャズ・ロックの名盤として評価されているのだ。
3枚組/2時間以上にわたる演奏は、宗教的といってもよい不思議な熱狂と緊張感に満ちている(「マントラ」なんて曲もある)。ちょっと類を見ない迫力のライヴ・アルバム。名作の誉れ高いのもうなずける。
日本のバンド、「MONKEY MAJIK」のベストアルバム『MONKEY MAJIK BEST ~10 Years & Forever~』も聴く。
「Around The World」というヒット曲しか聴いたことがなかったが、ほかにもいい曲が多い。とくに、津軽三味線の「吉田兄弟」とコラボした「Change」という曲は最高の出来だと思った。
ただ、バラード・ナンバーは甘ったるすぎて、私には退屈。この手の洋楽テイストのJロックなら、オーシャンレーンのほうが好みだな。
ジャズ・シンガーのアン・サリーが2007年に出した『こころうた』も聴く。これはジャズというより、子守歌のイメージでつらぬかれたアルバム。「虹の彼方に」や「椰子の実」などの有名曲も取り上げているのだが、ひねりがなさすぎてつまらなかった。
私は、アン・サリーのアルバムでは『ブラン・ニュー・オリンズ』(2005年)がいちばん好きだ。
■関連エントリ→ アン・サリー『ブラン・ニュー・オリンズ』レビュー
あと、最近ネット・ラジオの「ACCU JAZZ」で聴いて気に入ったイリアーヌ(ブラジルのジャズ・ピアニスト兼ボサノヴァ・シンガー)のアルバムも何枚か聴いた。
この人、ピアノは清冽でいいんだけど、ボサノヴァ・シンガーとしては没個性であまりいいと思わない。元々はピアノ専業で、ステージでの余興としてやっていた歌が人気を集めて歌ものアルバムも出すようになったのだそうだ。こんどはピアノだけ弾いているアルバムを聴いてみよう。
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