ゴング『Expreesso2』


Expresso 2Expresso 2
(2005/05/17)
Gong

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 ゴングの『Expreesso2』(※)を輸入盤で購入。前に買った『ガズース!』(「Gazeuse!」/1976年)と並んで、ジャズ・ロックの名盤に数えられているもの。1978年発表のアルバムだ。

※タイトルが『Expreesso2』となっているのは、前作にあたる『ガズース!』が米国で当初『Expreesso』というタイトルで発売されたため。

 『ガズース!』同様、長いゴングの歴史のうち、パーカッショニストのピエール・ムーランが中心となったジャズ・ロック期のアルバム。また、『ガズース!』同様、ギタリストのアラン・ホールズワースが参加している。

 そんなわけで音のほうも『ガズース!』の延長線上にあるのだが、『ガズース!』があまりに素晴らしかったので、比べてみれば一段落ちる感じ。『ガズース!』は特A級で本作はA級、というところ。

■関連エントリ→ 『ガズース!』レビュー

 『ガズース!』には全面的に参加し、曲も提供してサウンドの中核となっていたホールズワースだが、今作ではゲスト扱いで、全6曲中3曲に参加しているのみ。しかも、そのうち1曲はミック・テイラー(元ローリング・ストーンズ)がメインで、ホールズワースはサイドに徹している。

 ミック・テイラーが参加したオープニングの「HEAVY TUNE」は、『ガズース!』のようなミステリアスな音ではなく、普通に「熱い」ストレートなジャズ・ロック。てゆーか、ジャズ色の薄いインスト・ロック。ミック・テイラーがギンギンに弾きまくり、これはこれでカッコイイ。



 ほかの曲では、ホールズワースが参加した「SOLI」と「SLEEPY」がやはり素晴らしい。
 とくに「SOLI」は、マリンバなどの多彩な打楽器とベース・ギターが作り出すリズムの迷宮の中を、ホールズワースのウネウネ・ギターが駆け抜けていく絶品。ミステリアスなのにスピード感とパワーにあふれており、すこぶるスリリング。この一曲のためだけにアルバムを買う価値がある。



 ただ、残りの3曲がイマイチで、捨て曲なしだった『ガズース!』と比べるとやはり見劣りがする。

 ジャケットに描かれているのは、夕空に満月のように浮かぶ銅鑼――すなわちチャイニーズ・ゴングである(表面に漢字も描かれている)。このジャケが象徴するように、全体にやや東洋的な雰囲気も漂うサウンド。
 打楽器群の使い方の独創性といい、ほかのどのバンドも真似できない唯一無二のジャズ・ロックではある。が、『ガズース!』には及ばない。どちらか一枚買ってみようという人には、まず『ガズース!』をオススメ。これはそのあとに手を伸ばすべきアルバムだ。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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