『純喫茶磯辺』


純喫茶磯辺 [DVD]純喫茶磯辺 [DVD]
(2009/02/06)
宮迫博之仲里依紗

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 DVDで『純喫茶磯辺』を観た。



 モテたい一心で喫茶店経営を始めたダメ親父が、しっかり者の娘とともに奮闘するハートフル・コメディー。『机のなかみ』で注目を集めた吉田恵輔が監督を務め、不器用なダメ人間たちが繰り広げる悲喜劇をユーモラスに描き出す。
 8年前に妻が家を出て以来、高校生の一人娘と暮らす水道工員の磯辺裕次郎(宮迫博之)。父親が急死して多額の遺産を手にした彼は突如喫茶店経営を思いつき、無計画にも“純喫茶磯辺”を開店させる。閑古鳥の鳴くダサい店は、美人の素子(麻生久美子)をアルバイトに雇ってから一転、クセモノばかりの常連客でにぎわい始める。(「シネマトゥデイ」の紹介文より)



 これは、意外な拾い物。すごく面白かった。

 ひいきの麻生久美子目当てで観たのだが、仲里依紗も素晴らしく、2人のヒロインの魅力だけで十分「おなかいっぱい」になる映画。

 コメディではあるが、笑いを誘うのはベタなギャグではない。登場人物のぎごちないやりとりのズレた「間」など、随所にちりばめられた違和感がなんともおかしいのだ。
 
 セリフの一つひとつに、すごいリアリティがある。作り物感がまったくない。私たちが実際に会話をしながらふと感じる滑稽さのようなもの――それがセリフの中に見事に表現されている。

 仲里依紗演ずる、終始ふてくされたような顔をしている女子高生も、超リアル。彼女と父親の間の、微妙な距離感と親密感のないまぜになった感じが、じつに「あるある」なのである。いま現在女子高生の父親でもある私から見ても、そのリアリティには唸らされる。

 彼女が麻生久美子に向かって言い放つ、「ウッセーよ!」の一言(予告編にも出てくる)にしびれた。
 瀬戸朝香の映画デビュー作『湾岸バッドボーイ・ブルー』(1992年)で、瀬戸演ずる不良女子高生が教師に向かって言う「うるっせー!」に匹敵する一言であった。

 麻生久美子演ずる、対人オンチぎみの奔放な美女というキャラもサイコー。
 彼女が元カレに殴られて鼻血を出すシーンの、鼻血が出るタイミングの絶妙さといったら、ほとんど奇跡のようである(観てみないとなんのことかわからないと思うけど)。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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