ジ・アンサー『ライズ』


ライズライズ
(2007/01/24)
ジ・アンサー

商品詳細を見る


 ジ・アンサーの『ライズ』(WHDエンターテインメント)を、アマゾンで購入してヘビロ中。
 北アイルランド出身のハード・ロック・バンドが2006年に発表したデビュー・アルバム。

 YouTubeで何曲か聴いて気になっていたバンド。アマゾンで新品の日本盤がなんと送料込み500円台で売っていたので、迷わずゲット。
 4年前のアルバムとはいえ、なぜこんなに安いのだろう?  出版の世界で言う「ゾッキ本」みたいなもんかな。

 しかし、内容は極上であった。帯の惹句に「豪放磊落! 純粋培養型英国式剛健音楽。」とあるが、まさにそのとおり。1960年代末から70年代前半あたりのブリティッシュ・ハード・ロックそのまんま。とても21世紀のバンドとは思えない音だが、オジサン・ロックファンにはこの古臭さがたまらない。

 音だけではない。メンバーのルックスやファッションといい、ジャケのデザインといい、PVの演出といい、すべてが70年代テイストで統一されているのだ。


↑アルバムのオープニング・ナンバー。曲はもろバドカン。PVの演出の「意図的な古臭さ」がグー。

 ライナーノーツには、「確信犯的に古い作りのはずなのにまったく古臭さを感じない。歴史と伝統を背負い込んではいてもその感覚は2006年のバンドならではの現代的な感性に溢れているところが魅力だ」などとある。
 えー、そうかなあ? 私はジ・アンサーの音に少しも新しさなど感じないし、むしろ「古臭さにあふれているところこそが魅力だ」と思うけど……。
 まあ、「サムタイム・ユア・ラヴ」あたりの疾走感はややフー・ファイターズっぽくて――つまりオルタナ以後の匂いも感じられて――「現代的」かな。

 ともあれ、70年代のブリティッシュ・ハード・ロックが好きな人なら、聴きながらニヤニヤしてしまうこと必定のアルバムである。ブルース・ベースの男臭い音で、フリーやバッド・カンパニー、初期(1st、2nd)ツェッペリン、初期ブラック・サバスあたりからの影響が随所に丸見えなのだ。
 
 たとえば「イントゥ・ザ・ガター」という曲は、イントロのギターリフはサバスの「パラノイド」風だし、ヴォーカルや曲展開はツェッペリンの「コミュニケイション・ブレイクダウン」あたりを思わせる。あの時代の香りムンムンなのである。

 ヴォーカルはポール・ロジャースとロバート・プラントを足して2で割った感じで、メタリックにシャウトするとロバート・プラントになり、歌い上げるバラード・ナンバーではポール・ロジャースになる。好き嫌いの分かれそうな声ではあるが、すごい歌唱力だ。

 日本盤ボーナス・トラックの3曲を含め、全14曲で捨て曲なし。いやー、デビュー・アルバムでこの完成度は驚異的だ。昨年出たセカンド・アルバム『エヴリデイ・ディーモンズ』も買うことにする。

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

ブクログ・MY本棚

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
41位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
27位
アクセスランキングを見る>>