佐々木俊尚『2011年 新聞・テレビ消滅』

2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)
(2009/07)
佐々木 俊尚

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 佐々木俊尚著『2011年 新聞・テレビ消滅』(文春新書/788円)読了。

 内田樹さんがブログで「たいへん面白かった」と書かれていたので、手を伸ばしてみた本。

 この手の本はもうたくさん出ているし、私もつい先日類書の『マスゴミ崩壊』を読んだばかりなので、“大新聞もテレビ局ももうすぐおしまいですよ”という主張自体は、さして「目からウロコ」ではない。
 ただ、著者が矢継ぎ早にくり出す“新聞・テレビ消滅の根拠”の中には知らないこともたくさんあって、新鮮だった。

 とくに、日本の新聞にはマーケティングという発想自体がなかった(=マーケティングしなくてもやってこられた)、という指摘には唸った。
 そのことの裏づけとして紹介されているエピソードが面白い。著者がある地方紙の幹部と話をした際、「(おたくの新聞の)読者層はどんな感じなんですか。二十代から三十代の若い読者はどのぐらいの割合なんでしょう」と聞くと、その幹部はこう言ったという。

「割合ですか……。いや、そんなことは考えたこともなかったですね」



 このように、新聞やテレビ局の幹部連中がいかに時代遅れで、ネット時代に対応できていないかという事例が随所に紹介されていて、笑える。
 そう、本書はけっこう笑える本なのだ。著者は冷静に事実を並べながら、ところどころで、大マスコミの旧態依然を衝く痛烈な皮肉の矢を放つ。それが、「ふだん社会の木鐸ヅラしている大マスコミの連中がこのテイタラクかよ」と、読んでいて痛快なのだ。

 一連の“大新聞もテレビ局ももうすぐおしまい”本の中で、どれか一冊読んでおこうと思う人にはこれがよいのではないか。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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