細川貂々『ツレと私のふたりぐらしマニュアル』

ツレと私のふたりぐらしマニュアル (文春文庫)ツレと私のふたりぐらしマニュアル (文春文庫)
(2009/11/10)
細川 貂々

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 細川貂々(てんてん)著『ツレと私のふたりぐらしマニュアル』(文春文庫/580円)読了。

 大ベストセラー『ツレがうつになりまして』の作者による、自分と夫との暮らしを描いたコミック・エッセイ。『かわいいダンナとほっこり生活』なるタイトルで出版されたコミックスの文庫化である。

 マンガの文庫本は、絵や文字の情報量が多い作品の場合読むのがつらいものだが、細川貂々のコミックはすっきりとイラスト的で情報量が少ない(よい意味で)から、文庫でも抵抗なく読める。

 「ツレうつ」より前に描かれた作品なのだが、じつは本作を連載していたころ、すでに夫はうつを発病していたとか。にもかかわらず、「おもしろコミック・エッセイ」という作品の性格上、うつのことは表に出せず(編集部から「かくしてください」と指示されたそうだ)、“夫が突然「専業主夫になる!」と宣言して会社をやめちゃいました”という話になっている。

 この「ツレ」氏は麻布生まれフランス育ちなのだそうで、そのへんに起因するであろうおっとりとした上品さがなんとも微笑ましい。

 料理も家事も整理整頓も大好き、果ては皿洗いさえ大好きで、妻が食器洗い機を買おうとすると猛反対する(!)という「ツレ」氏のキャラクターがすごい。たとえウツにならなくても、専業主夫になるために生まれてきたような人である。
 ペットのカメの水槽の水を1日2回取り替える、という一節を読んで驚いた。なんと几帳面な。私なんか、カメを飼っていたとき週に1度しか水を替えなかった(→それはズボラ)。

 そして、ありがちな話だが、こういう夫を選んだ妻の貂々は、家事も料理も大の苦手の「片付けられない女」なのであった(世の中うまくできてるなあ)。

 当然、「ツレうつ」のようにドラマティックではなく、他愛のない話ばかりだ。それでも、夫婦のキャラ自体がコミック・エッセイ向きなので、そこそこ楽しめる。ホントに「そこそこ」で、1度読めば十分だけど……。

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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