『中国の植物学者の娘たち』

中国の植物学者の娘たち スペシャル・エディション [DVD]中国の植物学者の娘たち スペシャル・エディション [DVD]
(2008/04/25)
リー・シャオラングエン・ニュー・クイン

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 ケーブルテレビで録画しておいた『中国の植物学者の娘たち』を観た。『小さな中国のお針子』などの作品で知られる中国人映画監督ダイ・シージエ(フランス在住)が、フランス・カナダ合作の形で作った映画。

 ■公式サイト→ http://www.astaire.co.jp/shokubutsu/

 中国南部の架空の町。湖に浮かぶ孤島の植物園を舞台に、2人の女性の同性愛を描いた耽美的なラブストーリー。

 厳格すぎる植物学者・チェン教授の娘・アンと、植物園に実習生として送り込まれた孤児院育ちのミン。ともに孤独な環境で育った2人は、互いの孤独が共鳴するように惹かれ合う。
 だが、軍隊から里帰りしてきたアンの兄がミンに一目惚れ。チェン教授も2人を結婚させようとする。知られてはならぬ愛を育んでしまったアンとミンが、その愛をまっとうするために選んだ道とは――。

 ……と、そんなふうな映画。ストレートな性描写はほとんどなく、エロティックではあるがポルノではない。それでも題材ゆえに中国では撮影が許されず(配給も禁止)、ヴェトナムで撮影されたという。

 ストーリーはかなり強引で無理がある。とくに、アンとミンが「すべてを捨てても愛をつらぬきたい」と決意するまでのプロセスがあまりに性急で、まったく説得力がない。「出会ってまだ日も浅いのに、いつの間にそんなに深く愛し合ったのか?」と問いつめたくなる。

 しかし、アンとミンを演ずる2人の女優(リー・シャオランとミレーヌ・ジャンパノワ)がたいへん美しく、彼女たちを見るだけで眼福なので、多少の瑕疵には目をつぶりたい。
 また、ストレートな性描写がないからこそ、婉曲な表現が目覚ましい効果を上げている。2人のヒロインの二の腕やうなじ、脚などをカメラが舐めるように映し出すだけで、品のよいエロスが薫り立つのである。映像も美しい。



 ラストの展開には目がテン。つい四半世紀ほど前(ミンは1976年の大地震で両親を喪ったという設定なので、1980年代が舞台と思われる)の中国で、同性愛が犯罪だったということに驚かされる。てゆーか、いまでもそうなのかな?

 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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