佐々木倫子『チャンネルはそのまま!』

チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)チャンネルはそのまま! 1―HHTV北海道★テレビ (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
(2009/01)
佐々木 倫子

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 佐々木倫子の『チャンネルはそのまま!』1巻(小学館/980円)を買ってきた。
 『動物のお医者さん』『おたんこナース』で知られる佐々木が、『ビッグコミックスピリッツ』に月イチ連載中の新作である。

 札幌のローカルテレビ局「HHTV北海道☆(ほし)テレビ」(モデルとなったのはHTV/北海道テレビ放送)を舞台に、報道部に配属されたおバカな新入社員・雪丸花子が巻き起こす騒動の数々を描くコメディ。
 いやー、これは面白い。何度も読み返して笑える。佐々木倫子、本領発揮の傑作である。

 取材でつかんだ業界ネタを隅々まで活かす話づくりの巧みさ、主要登場人物のキャラの立たせ方のうまさ、北海道のローカル色をスパイスとして加える手際の鮮やかさ……『動物のお医者さん』以降、佐々木が一連の作品で練り上げてきたテクニックが、危なげなく発揮されている。もはや職人芸の域である。
 とくに、花子の「生中継デビュー」を描いた第1話、採用試験でのおバカぶりを描いた第2話の面白さは圧倒的だ。

 ストーリーのカギとなる「『バカ枠』採用」というのも、昨今のテレビアナウンサーを見ているとホントにありそうな気がしてくる(笑)。
 花子のおバカキャラの、なんとチャーミングなこと。私の中では「のだめ」を超えた。

 てゆーか、佐々木倫子はおそらく『のだめカンタービレ』を十分意識してこのマンガを描いていると思う。「のだめ」における千秋真一の役割を果たすのが、同期入社の切れ者報道部員・山根一であるわけだ。
 まてよ。ということは、今後花子と山根が恋仲に……って、佐々木の作風から見てそれはないか。

 マンガのストーリーのまま、何も足さず、何も引かずにテレビドラマ化できそうな内容である。そのあかつきには、ぜひドラマ版『のだめカンタービレ』のスタッフにやってほしい。花子役は上野樹里か上戸彩かな。

 それにしても、いまの『スピリッツ』は粒が揃ってるなあ。私はこの『チャンネルはそのまま!』と、『闇金ウシジマくん』『とめはねっ!』『ラストイニング』を読むのを毎号楽しみにしている。

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コメント

No title
というか『のだめカンタービレ』には佐々木作品から剽窃したと思われるコマなんかがちょくちょく登場しますからね。佐々木先生もそれを逆手にとられたんでしょうかね。
  • 2015-05-13│16:10 |
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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