思いこみについて

勇気凛凛ルリの色〈2〉四十肩と恋愛勇気凛凛ルリの色〈2〉四十肩と恋愛
(1997/01)
浅田 次郎

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 浅田次郎のエッセイ集『勇気凛々ルリの色 四十肩と恋愛』の中に、「思いこみについて」という一編がある。

 薬の但し書き「食間に服用」を「食事中に服用する」という意味だと思いこんでいたとか、「月極(つきぎめ)駐車場」を「月極(ゲッキョク)不動産」所有の駐車場だと思いこんでいたとか、その手の「思いこみ」についての面白いエッセイである。

 「子どものころ、東名高速を『透明高速』だと思いこんでいた」などという話なら、まあ笑い話ですむ。しかし、何十年も生きてきたのにその手の思いこみが修正されない例もままあって、これはシャレにならぬ赤っ恥につながる。

 じつは私も、つい先日その手の赤っ恥をやらかしてしまった。
 和食の薬味にする「もみじおろし」を、私は「もみじの葉をすりおろしたもの」だと思い込んでいたのである。
 家族で(回る)寿司を食べに行ったのだが、そこで息子が「もみじおろしってなーに?」と聞いてきたので、私は自信たっぷりに「もみじの葉をすりおろしたヤツだよ」と答えてしまった。

 一瞬の間のあとで、妻が「冗談で言ってるんだよね?」と聞いた。
 そして、私の積年の思いこみが、こともあろうに2人の子どもたちの前で白日の下にさらされてしまったのである。

  念のためにいうと、「もみじおろし」とは次のようなもの。

 

大根に切込みを入れ、唐辛子を詰めてすりおろすともみじおろしになる。紅色が美しく、辛味をいかした薬味として用いられる。なお、大根おろしとにんじんおろしを混ぜたものももみじおろしという(ウィキペディア)


 
 そ、そうだったのか……。いやー、44年間生きてきたのに知らなかった。

 考えてみれば、「もみじの葉をすりおろしたもの」だったら、「紅葉の時期にしか作れない」ことになるものなあ。
 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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