『魔法遣いに大切なこと』

2008年10月30日 16:53

 『魔法遣いに大切なこと』をサンプルDVDで観た。12月20日公開の邦画。

 公式サイト→ http://www.maho-movie.com/

 マンガ・小説・テレビアニメになってそれぞれヒットした同名原作(オリジナルは山田典枝による脚本)を、『櫻の園』の名匠・中原俊監督が実写映画化した作品である。私はマンガ・小説・アニメのいずれも未見なので、この映画版で初体験。

 この作品、タイトルだけは知っていたが、萌え系の絵柄を見て食わず嫌いしていた。いやー、こんなにいい作品だとは知らなかった。もっとなんかこう、美少女オタクにしか理解できない特殊な作品だとばかり思っていた。いいほうに予想が外れた。

 これは、たとえば大島弓子の「秋日子かく語りき」や「四月怪談」を彷彿とさせる、心あたたまるファンタジーである。美少女オタではないフツーの大人が観ても十分感動的だし、楽しめる。ストーリーの中に「泣きどころ」が3つくらいあって、不覚にも私は泣きそうになった。

 魔法があたりまえに存在し、国家が認定する「特殊技能」となっているパラレル・ワールドの日本が舞台。
 魔法遣いの血筋を受け継いだ者たちは、16歳の夏に「魔法局」なる国家機関(正式名称は「内閣府魔法労務統括局」)で10日間の研修を受ける。修了すれば「魔法士」(公務員!)の資格が得られるが、魔法の使用は厳格に管理される。市民などからの正式な依頼と魔法局の許可がなければ、魔法は使えない。当然、自分のために使うこともできない。

 亡父から魔法遣いの血を受け継いだヒロイン・鈴木ソラは、この研修を受けるため、北海道から上京する。同期の研修生は、ソラ以外に3人のみ。4人は先輩魔法士の家にホームステイしながら研修を受ける。

 日常と魔法世界が立て分けられている『ハリー・ポッター』などとは違い、この作品では日常の中に魔法が溶け込んでいる。魔法局は少しもおどろおどろしくなく、霞ヶ関にあるフツーの官庁。4人の16歳は、まるで弁護士の卵が司法修習を受けるように、魔法士になるための「実地研修」をつづけるのだ。

 魔法というファクターを除けば、この作品はごく正統的な青春映画である。物語の縦糸となるのは、ソラともう1人の研修生・豪太のさわやかで切ない初恋だ。

 ソラを演ずる山下リオは、12代目「リハウスガール」でもある。サラサラのロングヘアーが印象的な正統派美少女だ。豪太役は、映画『天然コケッコー』やテレビドラマ『花ざかりの君たちへ』などで人気のイケメン・岡田将生。
 2人のアイドルの魅力を堪能させるアイドル映画として一級品だし、青春映画としても、ファンタジーとしても、初恋物語としても上出来。中原俊が手堅い「プロの仕事」をしている。



コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://mmaehara.blog56.fc2.com/tb.php/1503-9c792f24
    この記事へのトラックバック