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フリーライター前原政之の、感想日記(本・映画・音楽・マンガetc.)+日常雑記

クレイジーケンバンド『ZERO』

ZEROZERO
(2008/08/13)
クレイジーケンバンドFull Of Harmony × ISO from I.S.O.P.

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  クレイジーケンバンドのニューアルバム『ZERO』(アーモンドアイズ/3150円)を、サンプル盤を送ってもらって聴く。8月13日発売。

 10枚目の節目となるアルバム。それにあえて『ZERO』というタイトルを冠したのは、「節目を機に、原点に戻る」という意志のあらわれだろうか。
 ジャケット・デザインも、黒地に大きなピンクの丸がドーンと印刷されただけのシンプルきわまるもの。ピンクの丸が「0(ゼロ)」を表わしているのだろう。

 夏に発表されることが多いため、「日本の夏の風物詩」ともいわれるCKBの新作だが、今作も思いきり“夏仕様”の内容である。うだるように暑い夏の夜、オープンカーで街を流したときに感じるさわやかな風……という趣のゴキゲンな曲がずらりと並んでいる(けっして「青空の下、リゾート地を走る」というたぐいのさわやかさではない。CKBは「夜の音楽」「街の音楽」だから)。

 一時期、CKBはよく「昭和歌謡」というくくりで語られた。だが実際には、「昭和歌謡」的な要素はCKBの一面でしかない。彼らの音楽は、ソウル、ロックンロール、オールディーズ、歌謡曲、ファンク、ブルース、ジャズ、ラテンなどを貪欲に取り込み、各ジャンルから「粋」と「男前」にあたる要素を抽出して編み上げたミクスチャーなのである。

 本作もしかり。一つのジャンルにくくることが不可能な多彩な楽曲が並んでいるが、横山剣の男臭いヴォーカルが全体に統一感を与える“手綱”となっている。

 横山剣のメロディー・メイカーとしての才、歌詞の中に豊かな物語性をもたせる才にはかねてより定評があったが、本作ではそれがいっそう高いレベルで開花している。10枚目の節目を飾るにふさわしい力作。極彩色の音楽エンタテインメントである。 イイネ!
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