BOOK勘


 最近、意識して週に一度は書店に行くようにしている。
 大きすぎず小さすぎない中規模書店(うちの地元でいうとオリオン書房)を、30分くらいかけてざっと見て回るのである。
 書店を観測ポイントとした、「出版業界の定点観測」のようなものだ。

 ここ数年、ネット書店で本を買う機会が圧倒的に多くなって、リアル書店に行く機会が激減した。その結果、「本に対する勘」のようなものが著しく鈍ったという実感がある。

 本に対する勘――いわば「BOOK勘」――とは、書店で「お、この本は売れそうだな」というニオイや、自分にとって有益な本のニオイを嗅ぎ分ける勘である。ライターにとっては、仕事の能力にも直結するたいせつな勘といえる。

 ネット書店が存在せず、日常的にリアル書店に行っていた時代には、いまよりもずっとそうした勘が働いた。「ピーン!」ときたものだ。
 ただなんとなく書店の中を見て回る間にも、脳内では膨大な量の情報が処理されていて、そのくり返しによっておのずと「BOOK勘」が醸成されていたのであろう。「勘」というのも、要は「意識下の情報処理の結果、引き出された回答」なのだろうから……。

 で、そうした「BOOK勘」を少しでも取り戻そうと、週一の本屋通いを自らに課したというわけである。

 ……と、ここまで書いてふと思いついたのだが、「ひきこもり」が長くなって人に会わない期間が長引くと、他人に対する勘(いい人か悪い人かなどを直観で判定する力)はやはり著しく減退するのではないか。
 そう考えると、会社員に比べれば人と会う機会が少ない我々在宅フリーランサーは、そうした「人物勘」がかなり鈍っているのかもしれない。
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コメント

ピンとくる本
ワタシは、暇つぶしで本屋をのぞくことが多いので
やはり店頭で本を買いますね

最近は、よっぽど「買いたい!」思うのしか
買わないんですが、

なぜかこの前、ベストセラーになってる黒い血液型の本と
アジカンのミニアルバムを衝動買いしてしまいました。
アジカンのアルバムは買ってよかったと思ったけど
血液型の本は半分読んで飽きました(笑)
1,000円もったいなかったなあ!

新書も何冊か読みたいのあるんですけど
なんか買い控えちゃうんですよね
もらった図書カードあるのに(笑)
活字嫌いになったのかなあ?
それとも、最近の本に期待してないとか(笑)
DVDやCDは、いいんですけどね。
  • 2008-07-10│02:02 |
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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