中村光『聖☆おにいさん』

聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC)
(2008/01/23)
中村 光

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 吉祥寺拓也さんのオススメを受けて、中村光の『聖(セイント)☆おにいさん』の1巻を買ってきた。
 ウィキペディアを見たらこの作品の項目がすでに立てられており(→こちら)、その説明文を読んだだけで「これは絶対面白いに違いない!」とあわてて書店に向かったのである。

 なにしろ、「ブッダとイエスが、下界のバカンスを満喫しようと、東京都立川のアパートの一室で暮らす、という設定で描かれる日常コメディ」(ウィキペディア)である。このぶっ飛んだ設定だけで、すでに面白さは約束されたようなものだ。で、読んでみたら期待に違わぬ面白さであった。

 この作品でブッダ(釈尊)とイエスがどのように描かれるかというと、たとえば――。
 マンガ喫茶で手塚治虫の『ブッダ』を読んで感涙するブッダ、女子高生に「超ジョニー・デップに似てる」と言われてうれしがるイエス、「なんで芸術家の皆さんってたいてい、私の一番太ってた状態を選ぶのかなあ!」と仏像に不満をもらすブッダ、ひそかにミクシィでブログを開いているイエス(マイミクにユダがいる)……。うーむ、シュールでしみじみおかしい。

 隅々まで細かいくすぐりが仕掛けられており、ブッダとイエスの生涯についてひととおりの知識がないと意味がわからないギャグが、全体の3分の1くらいある。
 とはいえ、コメディだから、さほど高度な素養が必要なわけではない。それこそ手塚の『ブッダ』とか、キリストの生涯を描いた映画の1本でもあらかじめ予習しておけば、十分楽しめる。

 ただ、立川市民の一人として言わせてもらえば、立川カラーがほとんど活かされていないのはちょっと残念。単行本カバーに明記されていなければ、誰も立川が舞台だとは気づかないと思う(てゆーか、じつはこの作者は立川のことをよく知らないのではないか? そんな印象を受けた。ま、どーでもいいことだけど)。

 P.S. 
 作者の中村光が別のマンガ誌に連載中の『荒川アンダー ザ ブリッジ』のコミックスも立ち読みしてみた。こちらもなかなか面白い。
 『荒川アンダー ザ ブリッジ』1巻のカバーに作者近影が載っていたのだが、わりと美人。「うーむ、美人のくせにこんなマンガを描いておるのか」と思うと、なおさら面白い。
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コメント

吉祥寺さん

まあ、日本だからこそ許される笑いでしょうね。
敬虔なキリスト教国、仏教国だったらシャレにならないと思います。

いくつかのセリフが思いきりツボにハマって、クククッと思い出し笑いしてしまいます。

「昇りのときは怒ってましたが、急降下のとき、取るに足らないことと悟りました」

とか、

「後光が差すから、夜外で徳の高いこと言っちゃダメだってば!」

とか。

「三千浦」、最近行ってないです。
そうえば、少し前に、あの店の社長(店にも出ているロマンスグレーのおじさん)と私に共通の友人がいることが判明して、「世の中狭いなあ」と驚きました。まあ、立川と国立だから近所ですけど。
  • 2008-05-04│22:25 |
  • 前原 URL│
  • [edit]
これおかしいですよね。
着想が非常に壮大で、聖徳太子の漫画化を超えましたね。史上最大の不謹慎漫画というか。あんまり目立つとうるさく言われそうですから、こっそりサゲモードで応援したいです。
「ロン毛でーす」「パンチでーす」

てゆーか、この作家の人、美人なんですね。ますます応援したいです。

昨日、久しぶりに国立インター近くの焼き肉屋(三千浦)に行きました。相変わらずおいしかったですし、中身もちっとも古びなくてきれいなままでした。
  • 2008-05-04│09:08 |
  • 吉祥寺拓也 URL│
  • [edit]

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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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