リチャード・スターク『悪党パーカー/エンジェル』

悪党パーカー・エンジェル (ハヤカワ・ミステリ文庫)悪党パーカー・エンジェル (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(1999/04)
リチャード スターク

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 リチャード・スターク著『悪党パーカー/エンジェル』読了。 
 戸梶圭太のギャング小説を読んだら、その原型というか本家本元の『悪党パーカー』シリーズを久々に読みたくなった。
 このシリーズは1997年に23年ぶりの復活作が書かれ、現在も書き継がれている。まだ邦訳されていないものまで含めると、全23作になったそうだ。

 で、この『悪党パーカー/エンジェル』は97年の復活第一作。
 そこそこ楽しめたのだけれど、2度にわたって映画化されたシリーズ第一作『悪党パーカー/人狩り』などと比べると、一段も二段も落ちる。展開がご都合主義に思えて仕方ない。

 『悪党パーカー』シリーズが画期的だったのは、プロの犯罪者たちがチームを組んで行なう現金強奪などの「ヤマ」が成功するプロセスを描いたからである。
 従来、その手の小説や映画では、モラルの規制からか、犯罪計画は肝心のところで頓挫するのがつねであった。それに対し、『悪党パーカー』シリーズの場合、パーカーを生きのびさせなければシリーズが終わってしまうわけだから、犯罪の成功はあらかじめ約束されている(……と、このへんは第五作『襲撃』に付された小鷹信光の解説の受け売り)。

 そういう「お約束」を念頭に置いたうえで、パーカーがどうやって危機を脱して逃げおおせるかのハラハラドキドキを味わうのが、このシリーズの大きな魅力である。しかし、そこに至るプロセスがあまりにご都合主義だと、読者はシラけてしまうわけだ。
 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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