Superfly『Superfly』

Superfly〔DVD付〕Superfly〔DVD付〕
(2008/05/14)
Superfly、Superfly×JET 他

商品詳細を見る


  Superfly(スーパーフライ)のファースト・アルバム『Superfly』(ワーナー)を、サンプル盤を送ってもらって聴いた。5月14日発売である。

 Superflyは、いま私がいちばん気に入っているバンドだ(バンドといっても、現在はヴォーカル・越智志帆のソロ・ユニット)。
 テレビドラマ『エジソンの母』のテーマソング「愛をこめて花束を」を歌っていたバンドだといえば、思い出す人も多いだろう。

 「愛をこめて花束を」もポップないい曲だが、あの曲はSuperflyのほんの一面でしかない。 Superflyは、長年洋楽ロックを聴いてきた耳の肥えたロック・ファンにこそ聴いてほしいバンドなのである。

 Superflyの音楽について、「ジャニス・ジョプリンとローリング・ストーンズの幸福な融合」と評した人がいた。言い得て妙である。1960年代末から70年代の洋楽ロックの影響が濃厚な、ブルースをベースにしたソウルフルなロックなのである。

 60~70年代の洋楽をベースにした日本のバンドといえば、ラヴ・サイケデリコがまず思い浮かぶ。このSuperflyも、デリコが好きな人ならきっと気に入ると思う。

 だが、Superflyはけっしてデリコのエピゴーネンではない。
 デリコのサウンドの核になっているのはギターのリフだろうが、Superflyは越智志帆のヴォーカルをこそ核にしている。それに、Superflyの音はデリコほどクール一辺倒ではない。もっと泥臭く、生々しく、よい意味で歌謡曲的なテイストを濃厚にもっているのだ。
 だからこそ、コアな洋楽リスナーのおじさん・おばさんと、J-POPばかり聴いている10代の少年少女の両方に受け入れられるキャパの広さをもっている。

 なにより素晴らしいのは越智志帆のヴォーカルだ。パワフルで伸びやかで、聴いていて元気になる。
 彼女が敬愛してやまないジャニス・ジョプリンを彷彿とさせる部分もあるが、ジャニスのような破滅型の暗さは皆無だ。ジャニスは27歳でドラッグによる無惨な死を遂げたが、越智はおばあちゃんになるまで力強く生き抜いていくに違いない。ジャニスは「生きながらブルースに葬られ」たが、越智は「ブルーズこそがマニフェスト」(「マニフェスト」)と誇らかに叫ぶのだ。

 越智志帆は、いわば「明るくてキュートな21世紀型のジャニス」だ。日本でいうと、ロック・バンド時代のカルメン・マキや金子マリを思わせる。

 このファースト・アルバムは、既発売のシングル5枚のリード・ナンバーをすべて収録していて、まるでベストアルバムのように粒揃いである。捨て曲は1曲もなし。絶対オススメ。

 Superflyを聴いたことがない人は、とりあえず「マニフェスト」のライヴ映像を観てほしい。私はこれを観て一発でノックアウトされた。↓  
 http://jp.youtube.com/watch?v=Zpvei6hNXpE&feature=related

関連記事

トラックバック

コメント

コメントを残す

Secret


Guide 

   →全記事インデックス

Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

Counter 

メールフォーム

★私にご用の方はここからメールを下さい。

お名前
メールアドレス
件名
本文

最近の記事

マイ「神曲」ベスト100

カテゴリー

里親募集中

タイトルの由来

●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

Archives

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
26位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
20位
アクセスランキングを見る>>