丸尾末広『パノラマ島綺譚』



 丸尾末広著『パノラマ島綺譚』(エンターブレイン/1029円)を購入。

 江戸川乱歩の代表作を、妖美な絵を描かせたら天下一品の丸尾末広が完全劇画化した話題作である。

 マッチングの妙で、イマジネーションに富んだ素晴らしい作品に仕上がっている。なにしろ丸尾自身がもともと乱歩に強い影響を受けている人だから、ノリにノって描いている印象なのだ。

 時代背景となる大正末期から昭和初期の雰囲気が濃厚に再現されているし、目玉となる「パノラマ島」の描写も圧巻。何度も読み直して「絵」として愉しめそうだ。

 丸尾のクレジットが「脚色・作画」となっているとおり、原作にかなりアレンジが加えられているのだが、そのアレンジもうまくいっている。

 丸尾本来のエログロ風味は、完全オリジナルの作品に比べてやや抑え気味。
 いや、この作品も十分エロティックかつグロテスクではあるのだが、エログロというよりは耽美的・幻想的、そして思いっきりレトロ。

 カラーは巻頭4ページのみだが、全ページをカラーにしたらもっとすごい作品になっただろう。海外向けにオールカラー版を作ってもよいかも。  
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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