木村泰司『名画の言い分』


名画の言い分 数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」名画の言い分 数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」
(2007/07/26)
木村 泰司

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 木村泰司著『名画の言い分』(集英社/2286円)読了。
 古代ギリシアから19世紀の印象派まで、約2400年にわたる西洋美術史を駆け足でたどった入門書である。

 「美術は見るものではなく、読むものです」と、西洋美術史家の著者は言う。
 西洋美術作品に内在するメッセージや意図を読み解くためには、その時代の歴史・政治・宗教観などについての膨大な知識が必要であり、感性だけで理解できるものではない、という意味だ。

 とはいえ、一般人が美術を鑑賞するためだけに、本格的に西洋美術史を学ぶわけにもいかない。そこで、各時代の美術に関する重要なポイントだけをかいつまんで教えましょう、というのがこの本だ。

 読んでいて思い出したのは、町山智浩の名著『〈映画の見方〉がわかる本』。
 あの本は、「映画だけでは見えない意図や背景、いわゆるサブテキスト」を知ってこそ映画が「わかる」のだと、名作映画を題材にその“読み解き”の手本を示してみせたものだった。
 本書も、『西洋美術の見方がわかる本』ともいうべき内容なのである。

 「数百年の時を超えて、今、解き明かされる『秘められたメッセージ』」という副題は大げさすぎるが、私のように美術に疎い者にとってはたしかに目からウロコの連続だった。

 特筆すべきは、語り口の平明さ、楽しさ。西洋美術史の概説書はほかにもたくさんあるだろうが、これほどわかりやすくて面白い本はまれなのではないか。
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  • 2008-03-07│21:54 |
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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