トニー・ウィリアムス『ライフタイム~ザ・コレクション』

Lifetime: The Collection Lifetime: The Collection
(1992/11/06)
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント

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「渋いジャズ・ロックが聴きたい」シリーズ第2弾として、トニー・ウィリアムスの『ライフタイム~ザ・コレクション』を購入。

 ジャズにくわしくない私は、トニー・ウィリアムス(故人)といえば、「ハービー・ハンコックのV.S.O.P.クインテットでドラムスを叩いていた人」くらいの認識しかなかった。なので、正統派のジャズ(「ストレート・アヘッド」と言うんですかね?)ばかりをやっているのかと思っていたのである。

 だが、この『ライフタイム~ザ・コレクション』はバリバリのジャズ・ロックで、ものすごくカッコイイのである。

 ギターはプログレ畑の名手アラン・ホールズワース。このギターがまた流麗で素晴らしいのだが、プログレのテイストはあまりない。
 むしろ、ジェフ・ベックの『ブロウ・バイ・ブロウ』とかコージー・パウエルの『オーバー・ザ・トップ』あたりを彷彿とさせる、骨太で男臭いジャズ・ロックになっている。

 ドラマーのリーダー・アルバムだから、当然ドラムスが音の核になってはいるのだが、さりとて、音のバランスを崩してまでテクニックをひけらかすような「俺が俺が」という自己顕示はない。BGMとしても極上の心地よい音楽である。

 このアルバムは、1975年の『ビリーヴ・イット』と、76年の『ミリオンダラー・レッグス』を2枚丸ごと収録したカップリング盤である。前半6曲が『ビリーヴ・イット』収録曲だ。

 2作では、かなり音の感触が異なる。『ビリーヴ・イット』は、緊張感がピーンと張りつめたクールでスペイシーなジャズ・ロックになっている。対して、『ミリオンダラー・レッグス』はややファンキーでお気楽な音。いい曲もあるけど、スカみたいな(音楽ジャンルのスカではなく、ハズレのスカ)ヴォーカル入りナンバーが入っていたりして、前半の緊張感が台無し。

 『ビリーヴ・イット』収録の6曲のほうが、圧倒的に出来がよい。後半の7曲が余分に思えてくるくらい。この『ビリーヴ・イット』路線で、もっとアルバムを出して欲しかったなあ。

 ジェフ・ベックの『ブロウ・バイ・ブロウ』『ワイアード』『ゼア・アンド・バック』あたりが好きな人で、未聴の人には絶対オススメ。

 
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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