2007年09月05日 16:33
業田良家の『ゴーダ哲学堂』(竹書房文庫/980円)を読んだ。
小学館から全2巻のコミックスで出ていた作品を、1冊にまとめた文庫版。前から気になっていた作品なので、文庫化を機に購読してみたしだい。
帯には、「『自虐の詩』の向こうに、まだこれがあったか。本当に哲学堂だ」という呉智英の推薦の辞が掲げられている。
呉智英が言うとおり、これは名作『自虐の詩』(そういえば映画化されたそうだ。観たいような観たくないような)の延長線上にある作品。
『自虐の詩』のラストシーンに添えられていた言葉は、「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。人生には明らかに意味がある」というものだった。
この『ゴーダ哲学堂』は、その言葉に改めて真正面から迫った作品。つまり、「人生に意味はあるか」という問いに対する答えを、短編連作マンガの形式でふたたび探したものなのである(!)。
いわば、「マンガで描かれた哲学書」。既成の哲学を解説したマンガならこれまでにもあったが、業田良家は本気で「自前の哲学」を作り上げようとしている。その意気やよし。
シリーズ全体をつらぬくのが「人生に意味はあるか?」という問いであり、それをさらに腑分けした問いが各編のテーマとなっている。「愛とは何か?」「家族とは何か?」「美とは何か?」「死の意味とは何か?」――そのような根源的な問いをテーマに掲げた短編マンガが、ずらりと並んでいるのだ。
いまどきシラフではとても口にできないそんな問いかけが、マンガというポップな表現形式の中では有効に機能する。
全24編の連作。その中には意気込みが空回りしているものもあり、玉石混淆ではあるが、「玉」にあたる作品はなかなかスゴイ。マンガとしての面白さをきっちり具えたうえで、なおかつ“ちゃんと哲学している”のだ。

イラスト/ジョージマ・ヒトシ




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( 2008年03月13日 18:12 )
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