鶴見済『人格改造マニュアル』


人格改造マニュアル人格改造マニュアル
(1996/11)
鶴見 済

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 鶴見済(わたる)著『人格改造マニュアル』(太田出版/1260円)読了。10年以上前の本だが、仕事上の必要があっていまごろ読んだ。

 鶴見済は、言わずと知れたミリオンセラー『完全自殺マニュアル』の著者。私にとっては、同年(1964年)生まれの同業者(フリーライター)として、気になる存在ではある。

 私は『完全自殺マニュアル』を否定的に読んだ一人だが(著者のニヒリズムはオウム並みの危険思想だと感じた)、その続編的な位置づけであろう本書は、読んでみたら「意外にまっとう」な内容であった。

 「脳をチューニングして楽チンに生きよう」という帯の惹句が印象的だったこの本は、タイトルのとおり、人為的に「人格を改造」するさまざまな方法を網羅的に紹介したもの。
 違法・合法ひっくるめたドラッグから、「自己開発セミナー」などの洗脳、「森田療法」などのサイコセラピーに至るまでが取り上げられ、それぞれのメリットとデメリット、実際にその方法を体験するためのノウハウ(違法薬物については入手方法まで)などが紹介されている。

 しかも、その多くは著者自身が体験したか、もしくは体験者等の当事者に取材したうえで書かれている。反社会的な方法(違法ドラッグやマルチまがい商法など)についても、その是非はとりあえず措いて、「人格改造」法としての「効果」についてだけ評価するクールな視点を保っている。

 フツーの若者たちに違法薬物に手を出すきっかけを与えたかもしれない、という点では、『完全自殺マニュアル』と同等のインモラル本かもしれない。が、一種の雑学本として読む分にはたいへん面白い、よくできた本である。
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コメント

ぼのさん

この本についてのアマゾンのカスタマーレビューの中に、「私の息子はこの本を読んだせいで死んでしまいました。私は著者を絶対許しません」というレビューがありました。

私みたいに「雑学本」として読むぶんにはいいけど、切実な「救い」を求めて読んだ読者に対しては罪つくりなことをした本ですよね。

>彼自体に、身体的にも精神的にも健全な人間に
>なりたいという気持ちは少しはあったのかな?

とりあえず、10年後のいまも鶴見氏は問題なく生活できているようだから(ブログもあり)、節度をもってドラッグその他とつきあえる人なんじゃないですかね。
  • 2007-07-16│17:43 |
  • 前原 URL│
  • [edit]
結構マジメに読んでた
「人格改造マニュアル」は
自分がうつ病になってから、
「これ読んでなんとかなれば・・・」という気持ちで
買って読みましたよ。

でも実行不可能か違法行為な方法が多かったので
読んだだけでしたね。

作者の鶴見氏は、”精神科の常連”と著書で
書いてましたけど、
彼自体に、身体的にも精神的にも健全な人間に
なりたいという気持ちは少しはあったのかな?
  • 2007-07-16│01:31 |
  • ぼの URL│
  • [edit]

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Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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