『幸せの絆』

『幸せの絆』を観た。7月公開の中国映画。日本円にして約2500万円という低予算で制作されながら、中国で興業収入1位に輝いたというヒューマン・ドラマである。

 中国のメディアはこの映画を「大催涙弾」と評したのだそうだ。それくらい泣ける、ということですね。
 映画館の多くが「泣けなかった観客には入場料を払い戻します」なるキャッチコピーをつけて上映したそうだが、払い戻しを要求した観客は一人もいなかったのだそうだ。

 で、どういう映画かというと……。

 山西省の山間にある貧しい村に、7歳の少女・小花(シャオファ)が行き倒れていた。小花は孤児で、里親の虐待に耐えきれず、近くの村から逃げ出してきたのだった。

 村の老人・宝柱爺は小花を不憫に思い、引き取って暮らすことを決める。だが、老人と同居する息子とその嫁は、自分たちに子どもができない焦りも手伝い、小花につらく当るのだった。

 「おじいさんに恩返しがしたい」という一心で、子どもながらも懸命に家の手伝いをし、自分をいじめる嫁にもけっして恨みを抱かない小花。その一途なけなげさ、いじらしさは、村人たちの心を揺り動かし、ついには嫁の冷たい心をも溶かしていく。

 …とまあ、そんな感じのストーリー。
 『おしん』少女編と『小公子』『小公女』を足して3で割り、舞台を現代中国の農村に移した、という感じ。

 「けっして『お涙ちょうだい』ではないが、感動的」という常套句があるが、この映画はむしろバリバリに「お涙ちょうだい」である。これでもかとばかりにあざとい「泣かせ」の連打。
 しかも、「さあ、ここが泣き所ですよ」というシーンにさしかかると、時代がかったパセティックな音楽が鳴り響く。

 ヒロイン・小花があまりにも「いい子」すぎて、リアリティがない。「こんな、ひとかけらの邪心も持たない天使みたいな女の子、現実にはいないよ」と思えてしまう。

 それでも、クライマックスのシーンでは私もちょっと泣けましたが……。
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。54歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴31年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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