歯に衣着せろ

 カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した河瀬直美監督が、自らの次回作で主演する長谷川京子について、記者会見で次のようにコメントしたそうだ。

「(出演した)テレビドラマを観ていて、まだ演技は評価できない。心を強く入れてやっているとは思えない。それを強化してできるようにするためのスタッフを今、集めています」(「サンケイスポーツ」Web版/6月8日)



 撮影はこれからだというのに、主演女優に向かって“大根宣告”をするとは……。

 どういう経緯で主演が決まったのか知らないが、主演女優といったら、野球でいうとドラフト1位指名の投手みたいなもんでしょ。プロ野球の監督がその投手に向かって、「甲子園での投球を見ていて、まだピッチングは評価できない。心を強く入れてやっているとは思えない。それを強化してできるようにするためのスタッフを今、集めています」と言い放つようなもんですよ、しかも入団前に、マスコミに向かって。

 これはもう、「それを言っちゃあおしまいよ」という言葉ではないのか。ハセキョーがこの言葉に発憤してがんばってくれるタイプならよいが、「ヘソ曲げっぱなし」になってしまったらどうするのか。

 河瀬監督の発言には、この間も首をかしげた。

 一つは、カンヌでグランプリを獲得して凱旋帰国したその日が誕生日だったとかで、記者会見で「みなさん、プレゼント待ってます」と催促をしたこと。あつかましい。

 まあ、そこまではまだ「茶目っ気」として受け止めてもよい。

 だが、「めざましテレビ」だったか、どこかのテレビ番組が監督を取材した際、レポーターが讃岐うどんをプレゼントしたところ、「うどんやんかあ……。みなさん、もっといいもんください」とカメラに向かって言ったのには呆れた。

 というのも、帰国記者会見で彼女自身が、「うどんが食べたい」と言ったのをふまえてのプレゼントだったからである。

 「私の言葉を覚えていてくれたんですね。ありがとう。うどん大好きです」と、なぜ言えない。

 ハセキョーに“ダメ出し”をした記者会見では、「世界のクロサワ、オオシマの次の世代の代表として“カワセ”があると思ってます」なる発言も飛び出したそうだ。
 そんなことは世間様が言うべきこと。自分で言うな。

 カンヌでグランプリをとってすっかり舞い上がり、「世界はアタシのもの」気分になっているのだろうか。河瀬監督には、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」との古諺を贈りたい。
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前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。55歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。フリーライター歴32年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

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