北杜夫『どくとるマンボウ回想記』 |
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2007-05-09 Wed 22:22
北杜夫著『どくとるマンボウ回想記』(日本経済新聞社/1500円)読了。 1993年刊の『どくとるマンボウ医局記』以来、じつに14年ぶりに「どくとるマンボウ」の名をタイトルに冠したエッセイ集である。そして、おそらくはこれが「どくとるマンボウ」シリーズ最後の1冊になるのではないか。 もっとも、本書は『日本経済新聞』の名物シリーズ「私の履歴書」のために書かれたもの(プラス単発エッセイと書き下ろし)であって、「どくとるマンボウ」シリーズとして書かれたわけではない。 ゆえに、北杜夫の幼少期から現在までを駆け足で振り返った内容になっており、『どくとるマンボウ航海記』のような質の高いユーモア・エッセイを期待すると肩透かしを食うだろう。本書の各エッセイは、ユーモアよりもむしろ寂寥感に満ちているのだ。 また、登場するエピソードの中には、過去の「どくとるマンボウ」シリーズですでに描かれているものも少なくない。 そんなわけで、「初めて北杜夫のエッセイを読む」という人には、本書はけっしてオススメできない。「どくとるマンボウ」シリーズの代表作、たとえば『航海記』や『青春記』あたりを読んでから読むべき本である(ちなみに、シリーズ中で私が偏愛しているのは、『どくとるマンボウ途中下車』)。 ただ、エッセイとしての質は低くとも、北杜夫ファンなら十分に楽しめる一冊である。たとえば、幼年期から最近までのプライベート写真がふんだんに挿入されており、それらの写真を見るだけでも楽しい。 |
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