「サマー・ソング」ベスト20 |
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2008-07-15 Tue 11:31
※以下は、昔メイン・サイトに書いたものの流用である。サイトのコンテンツで残すべきものはブログに移して、もう閉じてしまおうと思っている(いまどき「ホームページ・ビルダー」でちまちま更新するのもメンドイし) スチャダラパーの「サマージャム’95」の歌詞ではないが、10代のころ、夏になるとよく、お気に入りの「夏っぽい曲」ばかりを集めたテープを作ったものだった(ありがちですね)。 では、いまの私が同じようなテープを作ったとしたら? というわけで選んでみたのが下の20曲。サザンとかチューブとか山下達郎とかは意地でも選ばないのである。 ------------------------------------------------------- 1位「夏なんです」(はっぴいえんど) トリビュート盤『HAPPY END PALADE』ではキリンジがカヴァーしていた名曲。キリンジのヴァージョンは“都市の夏”というムードに仕上がっていたけれど、名盤『風街ろまん』に収められたこの原曲は、昔ながらの田舎の夏休みという雰囲気。少年時代の夏休みの思い出が心に広がる、ノスタルジックな名曲。 2位「ポロメリア」(Cocco) Coccoの曲の中でも、「遺書。」や「Raining」と並ぶ屈指の名曲。ポロメリア(=プルメリア)とは花の名。曲名どおり、極彩色の花が咲き乱れる南の島の夏を思わせる、スケールの大きい曲。 「見上げれば 終わりをみたこともない 目眩を覚えるような空(あお)」 ――リフレインのこのフレーズが、耳に焼きついて離れない。 3位「サマージャム’95」(スチャダラパー) ラップでこんなに抒情的な「サマー・ソング」が作れるなんて、私はこの曲を聴くまで想像だにしなかった。私がスチャダラパーに対して抱いていた偏見(=「どうせお笑いラップでしょ」)も、この1曲で吹っ飛んだ。 これは、「夏なんです」から四半世紀近くを経て生まれた、“ジャパニーズ・サマーソング”のスタンダードだ。 4位「LADY COOL」(ルースターズ) ルースターズのラスト・アルバムでもある名盤『FOUR PIECES』収録の名曲。終わりゆく夏の恋を歌う歌詞が、ルースターズというバンドの終焉と二重映しになって哀切無比。間奏のギターソロの鳥肌ものの美しさなど、すべてがバシッと決まったパーフェクトな曲。花田裕之のヴォーカルはヘタだが、そのヘタさかげんすら、ここではむしろ切なさに昇華されている。 5位「ネフードの風」(パンタ&HAL) パンタのアルバム中、『クリスタルナハト』と並び称される名盤『マラッカ』収録の名曲。『アラビアのロレンス』をモチーフにした、男臭いサマー・ソング。ワイルドでありながらリリシズムに満ちている。 パンタの曲ではいつものことだが、詞が素晴らしい。「つきっ放しのストロボのように/まばたきを忘れた空」――最初のフレーズでもうノックアウトだ。 この『マラッカ』にはほかにも、ロックと演歌とレゲエのスピリットが奇跡のバランスで融合した「つれなのふりや」や、故マーク・ボランに捧げた美しいバラード「極楽鳥」など、夏っぽい名曲多し。 6位「サマー・ナーヴス」(坂本龍一&カクトウギ・セッション) 坂本龍一がYMO在籍中に作った(※)、テクノ&フュージョン風味のセッション・アルバムの、タイトル・ナンバー。このアルバム全体が夏っぽいテイストで作られていたが、とくに、オープニングを飾ったこの曲は三重丸のサマー・ソング。坂本のヘタクソなヴォーカルも、むしろかわいらしい。 ※アマゾンのオフィシャル・レビューに「YMO結成以前、坂本龍一のソニーに残した1979年作品」とあるが、これは間違い。YMOは78年結成 7位「夕なぎ」(ナーヴ・カッツェ) ポリスを彷彿とさせる緻密なアンサンブルで目利きを唸らせた、女性ばかりのロック・トリオ「ナーヴ・カッツェ」。そのファースト・アルバム『OyZaC』(1987)に収められた曲。夏の夕暮れに吹く一陣の風のように涼やかな名曲である このナーヴ・カッツェ、いま聴いてもスゴイ。なにしろ、ポリスばりのタイトな演奏なのに、ヴォーカルとコーラスは透き通るような美しい女声なのだからたまらない。その落差にしびれる。 8位「いいあんべえ」(ザ・ブーム) 「島唄」ももちろん素晴らしい曲だけど、こちらのほうが私好み。歌詞はすべてウチナーグチ(沖縄の言葉)なのに、島唄のたんなる模倣に終わらず、見事に「ザ・ブームの曲」になっている。これぞまさに日本産ワールド・ミュージック。 9位「MIND CIRCUS」(中谷美紀) 女優・中谷美紀のシンガーとしてのファースト・アルバム『食物連鎖』のオープニングを飾った曲。くせのない涼やかなヴォーカルが心地よい。作曲の坂本龍一がプロの仕事をしている。「きみのまなざしは/夏草が茂る避暑地の空の匂い」――売野雅勇の詞も、夏っぽくてよい。 10位「夏色の服」(大貫妙子) 大貫妙子にも夏に似合う名曲は多い。名盤『ロマンティーク』(私はこれがいちばん好き)はアルバム全体が見事なサマー・ミュージックになっていたし、「夏に恋する女たち」なんてヒット曲もあった。あ、「幻惑」や「海と少年」も夏に合うなあ。 でも、1曲選ぶとしたら、『クリシェ』収録のこの曲。「よく似合うと買ってくれた夏色の服を/今年もひとりで抱きしめてしまう」という切ない歌詞をもつトーチ・ソング(失恋・片思いの歌)の傑作。能天気なサマー・ソングより、こういう切なさのある曲のほうが私好み。 11位「8月のセレナーデ」(スガシカオ) よく聴いてみれば、この曲の歌詞には夏をイメージさせる言葉はただの一つも出てこない。にもかかわらず、タイトルとメロディー、アレンジだけで、見事に夏を表現している。たとえばイントロのギターは川のせせらぎを思わせるし、コーラスや間奏のピアノは夏の風と光をイメージさせる。その繊細な表現力に脱帽。 スガシカオにはほかにも、「夕立ち」「ぬれた靴」など、けだるい真夏の夜を思わせる佳曲がある。 12位「ファム・ファタール〜妖婦」(細野晴臣) 細野晴臣がYMO結成直前に発表した名盤『はらいそ』の収録曲。一見トロピカル・ミュージックのようでいて、熱帯の夏というよりは“異界の夏”という趣の幻想味を漂わせる傑作。 13位「何でもないよ(Some Things Don't Matter)」(ベン・ワット) エヴリシング・バット・ザ・ガールのベン・ワットのソロアルバム『ノースマリン・ドライヴ』(1983)――いわゆる「ネオアコ」を代表する名盤の一つ――収録の名曲。べつに歌詞は夏の歌というわけではないのだが、ボサノヴァっぽいギターとメロディの切なさが絶品で、私にとっては完璧なサマー・ソング。 14位「愛を求めて」(ネッド・ドヒニー) ネッド・ドヒニーが1976年に発表した『ハード・キャンディ』は、私にとっては洋楽最高のサマー・アルバムだ。これほど夏に似合う曲満載のアルバムはほかにない。 夏に似合うアメリカン・ポップスというと馬鹿明るいだけの能天気な曲を思い浮かべる人が多いだろうが、このアルバムはさわやかさと切なさと透明感を併せ持った絶品である。アコースティックなフォーク色と洗練されたソウル・フィーリングの見事な融合。この「愛を求めて(EACH TIME YOU PRAY)」のほかにも、いい曲がいっぱい。 15位「砂の女」(鈴木茂) 元はっぴいえんどのギタリスト・鈴木がアメリカに渡り、向こうの一流スタジオ・ミュージシャンたちと互角に渡り合った名盤『バンド・ワゴン』のオープニング曲。安部公房の「砂の女」とは関係ない(たぶん)。乾いた夏の風が吹き抜けていくような「シティー・ポップ」の逸品。このアルバムにはほかにも、「微熱少年」などサマー・ソングの名曲が。 16位「ドラゴンフライ・サマー」(マイケル・フランクス) マイケル・フランクスの曲にも、夏に似合うものが多い。『タイガー・イン・ザ・レイン』のタイトル・ナンバーは雷が過ぎさったあとの切なさにぴったりだし、名盤『スリーピング・ジプシー』や『ブルー・パシフィック』は丸ごとサマー・ミュージックの逸品だ。 でも、あえて1曲選ぶとしたら、タイトルに「夏」が織り込まれたこれ。同名アルバムのタイトル・ナンバーで、夢幻的で上品、かつ切ない。ちなみに、「ドラゴンフライ」とはとんぼのこと。 17位「海辺のワインディング・ロード」(矢野顕子) 矢野顕子のピアノ弾き語りカヴァー集はいまのところ3作あって、そのうち『Home Girl Journey』は、いちばん夏っぽい曲を集めたアルバムになっている。小室等の「赤いクーペ」、槙原敬之の「雷が鳴る前に」などなど。とりわけ、忌野清志郎(ガンバレ! 生きろ!)のカヴァーであるこの曲の清冽さ・切なさといったら……。 18位「青い車」(スピッツ) スピッツにはこれ以外にも「夏が終わる」などのサマー・ソングがあるが、あえて1曲選ぶならこれか。アップテンポの明るい曲調なのに、その底に切なさがピンと張りつめているあたり、いかにもスピッツらしい。なお、よしもとよしともにも「青い車」という傑作青春マンガがあるが、あれはこの曲にインスパイアされた作品。 19位「残暑」(クラムボン) クラムボンのサード・アルバム『ドラマチック』は、全編夏っぽいイメージでつらぬかれた作品だった。中でも、シングルカットされたこの曲は、過ぎ去る夏を惜しむようなけだるい切なさが心地よい佳品。 20位「ハイヌミカゼ」(元ちとせ) 元ちとせのデビュー・アルバムのタイトル・ナンバー。「南からの聖なる風」を意味するタイトルのイメージそのままの曲。 吹き渡る風をイメージさせる形で使われている馬頭琴の音色が印象的。ふつうのストリングスではなく、あえて馬頭琴を用いた作り手のセンスが素晴らしい。 ■参考→ MUSICOの「サマーソング・コレクション」(私のリストとはほとんど重なっていません) |
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