ポール・バターフィールド・ブルース・バンド『Original Lost Elektra Sessions』



 今日は、女優・タレントの久本雅美さんを取材。劇団「ワハハ本舗」の事務所にて。久本さんとは初対面である。

 「ワハハ本舗」は、人を傷つける笑い・差別の笑いではなく、人を元気にする笑い・生きる力になる笑いをずっと追求してきた、というお話に胸打たれた。


 帰宅したら、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドの『Original Lost Elektra Sessions』が届いていたので、聴き倒す。
 彼らのファーストアルバム(1965年)の前年に録音された、最初期の発掘音源を集めたもの(1995年発表)。

 「ホワイト・ブルースの最高峰」とも言われるポール・バターフィールド・ブルース・バンドは、私も大好きである。
 ただ、マイク・ブルームフィールド、エルヴィン・ビショップと、所属したギタリストが素晴らしいせいか、ギターにばかり注目が集まりすぎなきらいがある。
 
 私は、ポール・バターフィールドのブルース・ハープ(ハーモニカ)やヴォーカルも素晴らしいと思うし、もっと評価されてしかるべきだと考える。
 この『Original Lost Elektra Sessions』は、ポールのブルース・ハープの素晴らしさが、ギター以上に際立っているアルバムだ。
 ブルース・ハープの、一つの究極がここにはある。

『Electric Blues』



 昨日は、知人のお見舞い→取材→打ち合わせと、半日外に出ていた。


 『Electric Blues』を輸入盤で購入し、ヘビロ中。

 マディ・ウォーターズ、B.B.キング、エルモア・ジェームス、アルバート・キングなど、大御所ブルースマンの名演ばかりを集めたコンピレーション・アルバムである。
 収められているのは、すべて1950年代の録音。タイトルのとおり、エレクトリック・ギターが使われたブルース・クラシックスばかりを集めている。
 
 1930年代のブルースとか、あまりディープすぎるものは苦手な私だが、このコンピに入った曲はどれもすんなり受け入れられた。1970年代あたりのロックを聴くのと、あまり変わらない感覚で聴ける。

 1000円を切る安さ(私が買った時点)なのに、2枚組にビッシリと全50曲が詰め込まれている。非常にコスパの高い、上出来のコンピである。

菊フィーチャリング鮎川誠、シーナ&ロケッツ『ROCKN' ROLL MUSE』



 菊フィーチャリング鮎川誠、シーナ&ロケッツの『ROCKN' ROLL MUSE』(SPACE SHOWER MUSIC/3024円)をヘビロ中。

 元サンハウスの「菊」こと柴山俊之が、サンハウス時代からの盟友・鮎川誠とともに作り上げた(プロデューサーも鮎川)、「生誕69(ロック)年記念アルバム」。菊の69歳の誕生日である6月9日――つまり昨日発売されたばかり。

 シーナ&ロケッツのオリジナルメンバーであり、サンハウスのメンバーでもあった奈良敏博、川嶋一秀をリズムセクションに迎えた本作は、「めんたいロック」のレジェンドが21世紀に蘇ったアルバムといってよい。

 菊のソロアルバムではあるが、実質的には「21世紀のサンハウス」であり、サンハウス名義で出してもよかった気がする(昨年亡くなったシーナさんの名を、タイトルに刻みつけたかったのかも)。

 菊と鮎川の共作による新曲を10曲収録。ほかに、サンハウス時代の代表曲「キングスネークブルース」「もしも」「ふっと一息」が、再演されて収められている。新曲は粒ぞろいで、捨て曲なし。



 全体的には、サンハウスが1983年に再結成された際の傑作ライヴ盤『クレイジー・ダイアモンズ』(私も大好きなアルバム)を思わせる仕上がり。つまり、ブルースロックを基本にしながらも、パンクロック的な疾走感が加味された音だ。

 スタジオ一発録りでアナログレコーディングされたそうで、ライヴのような臨場感と熱気に満ちている。
 鮎川のギターも、菊のヴォーカルもカラカラに乾いていて、日本的な湿り気は皆無。梅雨空を吹き飛ばす爽快なロックンロール・アルバムだ。

 音楽ライターの内本順一さんが、以前ブログで次のように書いていた。

(サンハウスには)それまで観た日本のどんなロック・バンドとも異なる“やばさ”があった。
やばさの度合いが違っていた。
ヘンな譬えでなんだが、彼らに影響されて出てきたいくつもの福岡のバンドをチンピラのかっこよさとするなら、サンハウスはヤクザの怖さのようなものがあったのだ。



 言い得て妙である。そして、サンハウスの「怖さ」をもっぱら担っていたのは、鮎川ではなく菊であった。
 この新作でもその「怖さ」「ヤバさ」は健在で、ドスの利いた迫力が全編に満ちている。69歳でこのパワーはすごい。

ジョニー・ウインター『ナッシン・バット・ザ・ブルース』



 今日は朝から、永田町の都道府県会館で、村井嘉浩宮城県知事と石川ひろたか参議院議員(公明党)の対談取材。
 村井知事には、前にも東日本大震災関連の取材でお会いしたことがある。陽気でパワフルな方である。
 
 午前中に取材が一件終わると、「もう一仕事終えたぞ」という感じで、なんとなく「一日分トクした気分」になる(笑)。


 ジョニー・ウインターの1977年のソロ・アルバム『ナッシン・バット・ザ・ブルース』を、中古で購入。

 ジョニー・ウインターのアルバムの多くはブルース・ロック、もしくはブルース・ベースのハードロックだが、この『ナッシン・バット・ザ・ブルース』は、ブルース・ロックというよりはもろブルース。
 すっごく渋い。ブルース・ハープの用い方とか、エレキ・ギターとドブロ・ギターの使い分けなどが、もう絶妙のセンス。

 しゃがれたがなり声なのに耳障りではないジョニーのヴォーカルも、「これぞブルース」という感じで素晴らしい。

 既成曲のカバーは一曲のみで、ほかはすべてジョニーのオリジナル。にもかかわらず、すべての曲がブルースのスタンダード・ナンバーのような風格を備えている。

 34分強というトータルプレイングタイムの短さだけが玉に瑕だが、ジョニー・ウインターの数あるアルバムの中でも指折りの傑作だと思う。ドブロ・ギターを抱えてタバコをくゆらすジャケも渋い。

 マディ・ウォーターズがヴォーカルでゲスト参加するラスト・ナンバー「ウォーキング・スルー・ザ・パーク」(マディの曲で、これのみがカバー)など、最高の仕上がりだ。



テイスト『ワイト島のテイスト』



 テイストの『ワイト島のテイスト』(ユニバーサル)を購入。

 テイストは、ロリー・ギャラガーがソロになる前にやっていたロックトリオ。スタジオ盤2枚を出したのみで解散してしまった短命なバンドで、解散後に2枚のライヴ盤が発表された。
 これはそのうちの1つで、1970年の伝説的な「ワイト島フェスティヴァル」(第3回)でのテイストのステージを収録したもの。私は今回初めて聴いた。

 このアルバムはスゴイ! 全編ギターの洪水。しかも、重く分厚いサウンドが怒涛のように迫ってくる。音質もよい。
 ソロになってからのロリー・ギャラガーはもっとブルース色が強いが、本作はあくまで「ブルース・ベースのハードロック」である。
 まるでクリームかジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのよう。じっさい、その2つのロックトリオが彼らのお手本だったのだろう(テイストはクリームの解散コンサートで前座を務めて注目され、「クリームの再来」とも呼ばれた)。

 私はソロになってからのロリー・ギャラガーも好きだけれど、テイストのこのサウンドのほうが好みだ。ロリーのソロはハードなギターの底に漂う「男の哀愁」が魅力なわけだが、本作での彼のギターには哀愁など微塵もなく、ひたすら奔放で荒々しい。そこがよい。


↑このアルバムのオープニング曲である「What's Going On」の映像。

 テイストがもう少し長くつづいていれば、現在のように「知る人ぞ知る」存在に終わらず、クリームの後を継ぐビッグネームになっていたに違いない。

 なお、このワイト島フェスのステージは先ごろDVD化された。そちらも買ってみることにしよう。


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Profile 

前原政之 
イラスト/ジョージマ・ヒトシ

前原政之(まえはら・まさゆき)
1964年3月16日、栃木県生まれ。53歳。
1年のみの編プロ勤務(ライターとして)を経て、87年、23歳でフリーに。ライター歴30年。
東京・立川市在住。妻、娘、息子の4人家族。

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●「mm(ミリメートル)」は、私のイニシャル「MM」のもじりです。

●私の大好きなギタリスト・渡辺香津美氏は、ご自身のイニシャル「KW」をもじった「KW(キロワット)」を、公式サイトのタイトルにしておられます(同名のアルバムもあり)。それにあやかったというわけです。

●あと、「1日に1ミリメートルずつでもいいから、前進しよう」という思いもこめられています(こじつけっぽいなあ)。

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