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フリーライター前原政之の、感想日記(本・映画・音楽・マンガetc.)+日常雑記

BOOK勘


 最近、意識して週に一度は書店に行くようにしている。
 大きすぎず小さすぎない中規模書店(うちの地元でいうとオリオン書房)を、30分くらいかけてざっと見て回るのである。
 書店を観測ポイントとした、「出版業界の定点観測」のようなものだ。

 ここ数年、ネット書店で本を買う機会が圧倒的に多くなって、リアル書店に行く機会が激減した。その結果、「本に対する勘」のようなものが著しく鈍ったという実感がある。

 本に対する勘――いわば「BOOK勘」――とは、書店で「お、この本は売れそうだな」というニオイや、自分にとって有益な本のニオイを嗅ぎ分ける勘である。ライターにとっては、仕事の能力にも直結するたいせつな勘といえる。

 ネット書店が存在せず、日常的にリアル書店に行っていた時代には、いまよりもずっとそうした勘が働いた。「ピーン!」ときたものだ。
 ただなんとなく書店の中を見て回る間にも、脳内では膨大な量の情報が処理されていて、そのくり返しによっておのずと「BOOK勘」が醸成されていたのであろう。「勘」というのも、要は「意識下の情報処理の結果、引き出された回答」なのだろうから……。

 で、そうした「BOOK勘」を少しでも取り戻そうと、週一の本屋通いを自らに課したというわけである。

 ……と、ここまで書いてふと思いついたのだが、「ひきこもり」が長くなって人に会わない期間が長引くと、他人に対する勘(いい人か悪い人かなどを直観で判定する力)はやはり著しく減退するのではないか。
 そう考えると、会社員に比べれば人と会う機会が少ない我々在宅フリーランサーは、そうした「人物勘」がかなり鈍っているのかもしれない。

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『となりの創価学会』

となりの創価学会 [宝島SUGOI文庫] (宝島SUGOI文庫 A へ 1-31)となりの創価学会 [宝島SUGOI文庫] (宝島SUGOI文庫 A へ 1-31)
(2008/06/18)
別冊宝島編集部編

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 1995年に別冊宝島の1冊として刊行された『となりの創価学会』が、文庫版となって復活した(宝島SUGOI文庫/540円)。単行本刊行後2年足らずで文庫化されるケースも多いせわしない昨今にあって、じつに13年越しの文庫化である。

 私もライターの1人として参加した、思い出深い本。見本本を送ってもらったので久々に再読し、いろんな意味で時の流れを感じた。当時の担当編集長であったI氏はその後病気で亡くなられたし……。

 元の本で、私は芹沢俊介氏へのインタビュー記事をまとめたり、島田裕巳氏による秋谷会長(当時)インタビューに同席して構成を担当したりしているのだが、ページ数その他の都合もあってか、それらの記事は文庫化にあたってカットされている。
 ただ、私がマンガ家さんと組んで作った「イラスト学会員図鑑」という“お笑い系”のページは収録されているので、一読されたし。

 自分もかかわったので自画自賛めくけれど、これはやはりいい本だ。中立的な視点から創価学会をジャーナリスティックに研究した本の先駆(その後、類書として『アエラ』の連載をまとめた『創価学会解剖』も登場したが)であり、その試みが最も成功したケースだと思う。
 
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野村進『調べる技術・書く技術』

調べる技術・書く技術  (講談社現代新書 1940) (講談社現代新書 1940)調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940) (講談社現代新書 1940)
(2008/04/18)
野村 進

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 野村進著『調べる技術・書く技術』(講談社現代新書/780円)読了。

 手練れのノンフィクション・ライターが、四半世紀を超える文筆生活で培ってきた取材・執筆作法を開陳したもの。
 私は仕事柄、この手の本はかなりの数を読んでいるが、本書はこれまで読んだ類書のベスト5には入る好著であった。立花隆の名著『「知」のソフトウェア』と並んで、「ノンフィクション作家の知的生産術」のスタンダードになり得る一冊。
 取材・執筆の基本が微に入り細を穿って説かれた入門書だが、それでいて、プロのライターをも唸らせる深みがある。

 後半の6〜8章は、著者自身のノンフィクション作品を3本(人物もの・事件もの・体験エッセイから一本ずつ選ばれている)全文掲載したうえで、その舞台裏を明かす形でノンフィクション執筆の要諦が説かれていく。
 「過去の自作を全文掲載するのはページ数稼ぎではないか」と思う向きもあろうが、3本がそれぞれ読みごたえのある作品なので、気にならない。

 圧巻は、女子中学生が集団自殺をはかった事件の真相に迫った「五人はなぜ飛び降りたか」をテキストにした章だ。警察のような捜査権もなく、新聞記者のようなネットワークももたない一ライターが、いかにして真相に迫っていったかのプロセスが明かされている。

 

 事件取材をしてみるとわかるが、ほとんどの現地は、新聞・雑誌・テレビなどの既存メディアによって多かれ少なかれ荒らされている。ややもすれば手の施しようがない思いにとらわれるのだけれど、どこかに手つかずの“真空地帯”のようなところが必ずあるものだ。そこをいかに素早く、的確に探り当てるか(P221)



 テキストとなった作品自体が、事件ノンフィクションの手本のような出来映え。ラストの一行で鳥肌が立った。『週刊新潮』ならまちがいなく記事タイトルにするだろう衝撃の事実を、あえてさりげなく、音楽でいう「アウトロ(後奏)」に用いた構成がこころにくい。これから読む人は、くれぐれも最後の行を先に見てしまうことなく、鳥肌ものの衝撃を味わってほしい。
 あまりによかったので、この作品が収録された野村の著書『事件記者をやってみた/ニッポンが見えた10の現場』もあわてて注文した。

 ノンフィクション作家志望者のみならず、ライターおよびその卵なら一読の価値あり。
 また、小説の世界でも吉村昭のように綿密な取材を基に作品を書く作家がいるわけだから、小説家の卵にもオススメ。
 
 ■関連エントリ→ 武田徹『調べる、伝える、魅せる!』レビュー

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「ロットリング・フォーインワン」讃

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 私はけっして筆記用具にこだわるほうではない。日常的にいちばん愛用している筆記具といったら、三菱の「ジェットストリーム」という150円のボールペン(これは書き味がなめらかでよい)だし。

 ただ、取材時にメモを取る際の筆記具だけは、モンブランもしくはクロスのやや高いボールペンを使う。取材はたいてい一期一会であるから、相手は私のことを見た目で判断するしかなく、100円ペンなど使ってメモを取ると、それだけで「安く見られる」気がするからだ。

 ホテルマンや金貸しなどは、一見(いちげん)の客の懐具合を履いている靴で判断するそうだ。まさに「足元を見る」のである。ふだん筆記具にこだわらない私が取材時の筆記具にだけ気を使うのも、「足元を見る」ならぬ「手元を見る」相手に対応するためだ。

 ただ、いつも使っている手帳にセットしておく三色ボールペン(→関連エントリ「私の手帳術」参照)だけは、安直な100円ペンを使っていた。それがちょっと気になっていたのである。

 で、ロットリングの「フォーインワン」というマルチペンを購入。黒・赤・青の三色ボールペンとシャープペンシルがセットになっているもの。高級品というわけではないが定価5000円超なので、100円ペンに比べたら格段に品がよい。

 使ってみたら、これはたいへんよいペンであった。
 まず、マルチペンなのにふつうの一色ボールペンと変わらない細さがよい。また、筺体が金属なので、ずしりと適度な重量感があるのもよい。
 デザインも「洗練と質実剛健の中間」くらいな感じで、好み。つや消しブラックのボディも渋い。書き味もまあまあである。
 
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確定申告

 申告期限に一日遅れてしまったが、今日確定申告をしてきた。
 
 ライター生活も20年以上になり、その間ずっと自分で申告してきた(=税理士に依頼したことがない)ので、申告書を書くのはもう慣れたもの。半日もあれば書き上がる。

 とはいえ、目先の切迫したシメキリに日々追われているので、その半日がなかなか捻出できない。「あとでもいい」事柄はどんどんあと回しになるのである。

 最近は、「e-Tax」とやらいうもので、国税庁のサイトを通じてパソコン上で申告を済ますこともできるのだそうだ。
 しかし、私は今後も税務署に申告書を提出しに行くほうを選ぶと思う。この時期の税務署は人間ドラマの宝庫であって、不謹慎を承知で言うなら、刑事裁判の法廷並みに「面白い」からである。

 「納得できません!」と血走った目で税務署員に食ってかかる人とか、逆に税務署員に叱られてシュンとなっている零細企業主(推定)とか、生々しい悲喜劇がそこかしこで展開されているのだ。

■当ブログの関連エントリ
1.年収ジェットコースター
2.確定申告あれこれ
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浜口直太さんを取材

 
デキる人は皆やっている一流の仕事術デキる人は皆やっている一流の仕事術
(2007/05)
浜口 直太

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 今日は、国際経営・起業コンサルタントの浜口直太さんを取材。麹町のオフィスにて。
 
 浜口さんは、これまでに34冊もの著書をお持ちである。ゆえに全部は読めなかったが、それでも、『デキる人は皆やっている一流の仕事術』『天職の見つけ方』『仕事と人生を熱くする、いい話』など、7冊の著作を読んで取材に臨んだ。

 米国の経営大学院に進んでMBAを取得し、現在までに日・米・アジアで1200億円以上の資金調達をし、50社以上の上場を支援するなど、浜口さんの経歴は華麗そのものだ。

 だが、そんな浜口さんも、高校までの成績はつねに学年で最下位近い「落ちこぼれ」であったという。担任がご両親を学校に呼び、「このままでは、息子さんは進学どころか卒業も危うい状態です。勉強だけが人生ではありませんから、違う道を考えられてはいかがでしょう」と言ったほどだとか。

 しかし、「人生の師匠」からの励ましなどによって、高校3年の夏に一念発起。そこからは「圧倒的努力」で自らを鍛えあげ、大学時代には逆に優等生に。その後、米国に渡り、世界一流のコンサルタント会社でスピード出世していくのだった。

 浜口さんの著作の数々には、ご自身のそんな経験をふまえた、「人間、苦手なことでも命がけでやれば、必ず大きな成果が出せる」という熱いメッセージが脈打っている。

 ライターとしてさまざまな世界の方々を取材してつくづく思うのは、「世の中にはすごい人がたくさんいる」ということ。偉人は偉人伝の中にだけいるわけではないのだ。

 そういう「すごい人たち」から直接話を聞き、さまざまなことを学べるのが、ライターという仕事の一つの醍醐味である。
 
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佐々木かをりさんを取材

さっと書けて心が伝わる英文メール術―あなたのビジネスをパワーアップ!さっと書けて心が伝わる英文メール術―あなたのビジネスをパワーアップ!
(2005/12)
佐々木 かをり、ダーシー アンダーソン 他

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 今日は、イー・ウーマン代表取締役の佐々木かをりさんを取材。表参道のオフィスにて。
 
 ご著書のイメージそのままの方であった。明るくて、気取りがなく、パワフル。
 しかも、こちらの質問に、じつに的確で無駄のない答えが返ってくる。テープを起こせば、言葉を整理しなくてもそのままコメントに使える感じ。素晴らしい。
 
 私たちが取材を終えたすぐあとに、どこか別のメディアの取材チームが入れかわりで入ってきた。さすが売れっ子。
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